リレーコラムについて

名古屋の恋 1

植田正行

はじまして。川上さんからバトンをうけました、植田といいます。

長らく名古屋エリアが続きましたが、僕で最終回。
ということで僕は、名古屋の広告事情については一切ふれずに、恋の話をしようと思います。
人様にお聞かせするほどのものではない、青臭い話なのですが、
僕にとっては甘酸っぱい大切な思い出です。
では一週間、お付き合いくださいませ。

それは、僕が社会人になり、何の因果か名古屋配属になった1年目の秋のこと。
名古屋といば、手羽先、天むす、水商売。
ということで、僕はとあるヘルス嬢に恋をしました。
彼女の名は、鈴子。
北国を思わせる白い肌と大きな瞳が魅力の、すこしミルクの匂いのする女性でした。

そして、彼女の特徴はもうひとつ。
彼女は、額のちょうど真ん中のあたりに、いつも、
孫悟空の輪っかのような感じで、「鈴」をつけていました。
その鈴は、プレイ中、彼女が頭を上下させるたびに

 チリ〜〜ン、チリ〜ン…
 チリ〜〜ン、チリ〜ン…

と心地よい鈴の音をならすのです。
一度、「ソレはなに?」と尋ねると、彼女は少しうつむいて、こう答えました。
「ウチ、前世でとっても悪いことしてしまってん。 だから神様に付けられたんよ。」

きっと、始めての一人暮らしが寂しかったのでしょう。
僕はすぐに、彼女に夢中になりました。

そして、その年のクリスマスイブ。
僕は意を決し、彼女のために編んだ、手編みのマフラーをプレゼントしに
お店へと向かったのです。

(つづく)

NO
年月日
名前
5805 2024.11.22 中川英明 エキセントリック師匠
5804 2024.11.21 中川英明 いいんですか、やなせ先生
5803 2024.11.20 中川英明 わたしのオムツを替えないで
5802 2024.11.19 中川英明 ドンセンパンチの破壊力
5801 2024.11.18 中川英明 育児フォリ・ア・ドゥ
  • 年  月から   年  月まで