リレーコラムについて

ハートゲイ?

斉藤尊司

I&S BBDOの斉藤尊司です。
昨日のコラムでしょんぼりしていたら、メールが舞い込みはじめました。
やた!やた!! ありがとうございます。
うれしいですねぇ、ホント。涙がでそうになりまひた。。。(ぐすん)
またぜひ、ご意見、聞かせてくださいね。
ってわけで、今日もがんばって書きます。よろしくです。
※なんのこっちゃ???の人は前回、前々回のコラムへ。

ボクは、本当は、女性よりも男性のほうが好きなんじゃないか、って
ときどき思います。とくに胸板の厚い、いやいや、そっちじゃなくて。。。
胸の奥の熱い人、いわゆるハートの熱い人(古いなぁ、この表現)
に出会ったりすると、ついつい夜を徹して話しこんでしまう。
で、朝。太陽がビルの谷間をえっちらおっちら昇る頃、
すっかりその人にいかれてる。勝手に好きになっている。
男がほれる男。みたいなタイプに、そうとう弱いようなのです。
まだ男の人との肉体交渉はないので(ま、今んとこ、そのつもりもないのですが)
精神的ゲイ。ま、ハートゲイ?とでも申しましょうか。

で、この業界には、ボクの好きな、熱い男たちが山のようにいる。
広告やコピーの話を延々と熱く語る人。そういう人たちが大好きです。
(もちろん女性にもいるのでしょうが、たまたまボクの周りは男ばっかで。。。)

たしか6〜7年前。宣伝会議主催の幻の広告賞
「コピー・オブ・ザ・イヤー賞」というのがあって
(なぜ幻かって、コレ、1回だけで打ち切られたんです・・・残念)
その授賞式の後に、なんとなく一部の受賞者たちで飲みに行きました。

このときのメンツが、いま思うとけっこうスゴイ!
山本高史さんを筆頭に、藤本毅さん(アサツー→フリー)、安路さん(大広)、
安谷さん(大広→博報堂)、紫垣さん(当時リクルート)、
島田さん(フロンテッジ)、久米さん(アサツー→ADK)などなど。
(ま、何がスゴイって、野郎だけ!ってとこがスゴイんですけどね)
野郎が10名ほど膝つきあわせて、コピーについて語りあったわけです。
このときの語りは、さすがにみんな青くて熱かった!

お題は「あなたのベストコピーライターは?」。
誰がどなたの名をあげていたかは、ここでは伏せますが、
このうち7〜8割の方がやはり、仲畑さんの名を挙げていました。
で、「いちばん好きなコピーは?」となると、意外とバラバラ。
それぞれの人のコピーに対する好みや価値観が見えてなかなか面白いものですよ。

一方、TCCの同期で飲んだときに、この手の話題を持ち出したところ、
その場では、こんな見解にたどりつきました。
「いちばん好きなコピーは?」というお題の場合、
だいたい大きく2つに分類できる、と。
「好きだから、あげる。」派と「ひとりより、ふたり。」派。
どんな分類やねん、それ!と思われるかもしれませんが、
まぁ、よーく考えていくと、なんとなーくわかる気もする。
(その場でみんな、なんとなーくわかった気になっていたので・・・)
理論と感性。左脳と右脳。そんな分け方だったと思います。
正しいかどうかは別にして、そんなことを語りあえるのがうれしいじゃないですか。
ちなみにボクは、「好きだから、あげる。」派。

さらに「憧れるコピーライターは?」となると、
「ベストコピーライター」とは少し違ったりして、また面白い。
ボクの場合は、眞木準さん。「おしゃれ」という独自の芸を確立されている一方で、
「きょ年の服では〜」的なモノの真理をスパッと言い切るコピーも上手い。
その両面を持ってるとこが、カッコイイなぁ、と思うわけです。
そうそう、「十歳にして愛を知った。」とかの
ギミックもの(って呼んでいいのか?)も大好きだし。

で、ボクが第一企画〜ADK時代に8年ぐらいお世話になったCD
(前々回登場の能丸さん)から、よくこんなことを言われました。
「言ってることは間違ってねぇんだけど、コピーに芸がない。芸を見せてみろよ!」
それこそ芸歴の浅いボクにとって、
当時、芸!と言われて思いつくのが、この「おしゃれ」だったわけです。
懸命に真似したのですが、ご存知の通り、これを見事に着地させるのは至難の業。
眞木さんの名人芸には遠く及ばず、ボクレベルでは「おしゃれ」じゃなくて
「おじゃれ」ぐらいにしかならない。(あ。これ今、周りで流行ってます。ね、関さん)
ま、カタチだけ真似ても、しょうがないってこと。

芸歴15年めの今になって、やっと気付き始めているのですが(おそっ!)、
コピーにおける芸って、何もギミックやロジック、言い回しのことだけじゃない。
コピーライターが、その商品、その企業と向き合うときの
その人なりの、こころ持ちやこころ構えのほうが、よっぽど秀でた芸だったりする。
いわば、こころの芸。これも一種のハートゲイ?なんて、
つまんないことを考えていたりする今日この頃です。
(ヤバイ!これじゃ、単なる「おじゃれ」落ちだ。。。)

(気を取り直して、と)
明日は、ボクがいま思い描いている「こころの芸」について
書いてみようと思います。

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