東京ショット会
きのう鉄道の話を書いたが、
じつはカメラにもハマッている。
ウィルスなどと書いたのも、赤瀬川さんの影響であろう。
しかし私はべつだん中古カメラ熱の患者ではない。
ごくフツーのコンパクトカメラをもっているだけである。
そのコンパクトカメラはGR-1というものだが、
これがスゴイ。
なにがスゴイって、まず小さい、というか薄いのだ。
カバンにでも、ポケットにでもスッと入る。
それでいて、シロウト目にも、写りがスゴイ。
このカメラを教えてくれたのは、
カメラマンの岡田初彦さんであった。
聞けば、十文字美信さんも愛用しているという。
さっそく、買った。
このカメラを買って、
うれしくて毎日カバンのなかに入れて持ち歩いていた。
これがいいのだ。
ふだん気にもとめないような景色が気になる。
仕事の現場で、仲間をカシャッ!なんてこともできる。
で、みんなに自慢した。
R社から感謝状をもらってもいいんじゃないかと思うくらい、
みんなに買わせた。
ある日、酒の席で、
写真で句会をやったら面白いんじゃないか、
という話になった。
先生からお題をいただいて、
次の例会に持ち寄り、みんなで投票する。
カメラは原則としてGR-1。
そうして始まったのが、去年の8月。
会の名前は「東京ショット会」という。
メンバーは、現在のところ約10人。
先生は、いまをときめく写真師、M.HASUIさんに
引き受けていただいた。
ボランティアである。
ちなみに第1回のお題は、「愛人」。
その後は、「俳句」、「入浴」、「食べる」。
みんなが悪戦苦闘して、キャビネ版にした作品を持ち寄る。
例会場は、蕎麦屋の座敷。
まずひとりひとりが、自分の作品を発表する。
プレゼンテーションである。
これが、この歳になってドキドキする。
ここでは、キャリアの差はないのだ。
人の発表に、へえー、こんな手があったのかー、
などと感心する。
なんのことはない、これは「企画」なのだった。
技術ではないのだ。
目のつけどころ、なのである。
HASUI先生は、
懇切丁寧にいろいろとコメントしてくださる。
技術も教えてくださるが、
やはりポイントは「目のつけどころ」なのである。
先生自らが撮ってきた作品を見せていただくと
(ちなみに先生もわれわれと同じ条件で撮影する)、
そのことがよくわかる。
プロとは、そういうものなのだろう。
遊びで始めたのに、しっかりと仕事の教訓を得たのであった。
コピーライターのみなさん、
カメラ、持ってみるといいですよ。