リレーコラムについて

よっしーお見合い大作戦 〜 はじめまして篇 〜

芳谷兼昌

昨年、はじめて経験したお見合いの話でも。

大阪の某ホテル。
そこはふたりがはじめて出会う場所。

当初はいきなりふたりで会う予定だったが、
引き合わせてくれることになった父の友人、浪花節さんが、
最初だけでも、と来てくれることになった。
約束の時間11時の15分前に到着していた僕は、
周りをキョロキョロ見渡しながら、
浪花節さんとお見合い相手であるキャサリン(仮名)を探す。
11時5分前、浪花節さんに電話をしてみると、

「いやぁ、遅れてまんねやわぁ。
 キャサリンはん来てはる?
 ふたりで仲良う待っといて」

電話を切って辺りを見渡すと・・・・・・・キャ、キャサリンがいたっ!
ノースリーブにシフォンスカート。
腕にカーディガンをかけている。
あれだ、まちがいない。
どうやらお見合い写真は修整していなかったようだ。
よし!声をかけるぞ。
イスから腰を上げ、
キャサリンのもとへ向かおうとしたら、
あららら、トイレに入っちゃった。
タイミングが悪いなぁ、と思ってまた座ろうとしたら、
おや、出てきた。
大きく深呼吸をひとつ。
それっ!声は低めだぞ。

「芳谷と申します。キャサリンさんですか?」

「あ、はい。」

「どうも、はじめまして。浪花節さんが少し遅れるそうなんです」

「あ、先ほど連絡をいただきました」

「あ、そうですか」

あのオッサン、女性にはちゃんと連絡してるのね。

「じゃあどうしましょう、
 ソファにでも腰を落ち着かせましょうか」

「そうですね」

と、そのとき・・・・・・・・・・・。

「いやぁ、待たせましたなぁ。

 ふたりとも、

 わかったん?(僕の顔を見て)

 わかったん?(彼女の顔を見て)」

と、浪花節さん登場。

「あ、芳谷です。この度は・・・・・・・・おい、おっさん」

挨拶しようとしているのに、

「いやぁ、高速が混んでましてなぁ」

僕に背中を向けてキャサリンに言い訳をしていた。

ま、えっか。

「きっちゃてん(喫茶店)でも入りまひょかぁ」

という浪花節さんの言葉で、

僕たち3人は茶をしばくことになった。

つづく

NO
年月日
名前
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