略称問題を考える
略称が増えている。
例えば、APとはアカウント・プランナーを指すらしい。
アカウント・プランナーが何をする仕事かわからない人も多いのに、いきなり略称で呼ばれてはさらにわかりにくいのではないだろうか。
また例えば、OOHという単語が知らない間に当たり前になっている。
アウト・オブ・ホーム・メディアの略称らしい。
「屋外広告」でいいような気もするが、100歩譲ってどうしても省略したいとしよう。それにしても、
日本人はなぜか略称を作るのにアルファベットを使いたがるくせがある。
だが実際のところ、アルファベットは略称に不向きなのだ。
私の今日の提案は、これらを全てカタカナ(またはひらがな)に置き換えてはどうか、というものである。
アルファベット=26文字
カタカナ、ひらがな=71文字(濁音とパ行、ヲ、ンも含めた場合)
だから同じ文字数に置き換えた場合、カタカナの方がより細分化されて、原語にさかのぼりやすい。
例えば、TNKと略すよりタナカと書くほうがわかりやすい。
どちらも3文字だ。
よく考えるとアルファベットよりカタカナは情報量が多いのである。
クリエーティブもコピーもカメラもアルファベットなら「C」になる。
カタカナなら、ク、コ、カ、と区別できる。
また例えば、WBCが2つあるが、
ワールド・ベースボール・クラシック=ワベク
ワールド・ボクシング・カウンシル=ワボカ
のように、カタカナ略称なら区別することができる。
しかも、べはベースボールのべだな、ボはボクシングのボだな、というふうに識別も簡単だ。
「この商品のUSPは……」などと使われる。
ユニーク・セリング・ポイントの略らしい。
無理に略さなくても「特長」と言えばいいようなものだが、それは置いといて、どうしても省略したいとしよう。
これからは「この商品のユセポは……」と略してほしい。
USPよりまだちょっとだけ原語を想起しやすい。
しかも「ユーエスピー」より「ユセポ」は短い。
より省略されていて合理的だ。
早い話が、テレビCMの原版につける10桁コード。
たしか0〜9の数字とアルファベットの組み合わせ(OとIを除く)で34進法になっているはずだ。
だがアルファベットの代わりにカタカナを使えば、81進法にできる。
日本でしか使わないのだから、何の問題もない。
住基ネットは11桁の数字で100億の位までカバーしようとしている。
これも数字の代わりにカタカナにすれば71進法になって、6桁で100億の位までカバーできる。
しかも名前をそのまま使ってもいい。すっごい合理的。
うちのアプがね、面白いアオホを提案したんだよ。ユセポがよく伝わるんだよ。
(うちのアカウント・プランナーが面白いアウト・オブ・ホーム・メディアを提案したので、ユニーク・セリング・ポイントがよく伝わるんだよ)
……などのように軽快な会話がはずむことを期待したい。
というわけで、何とか最終回をお届けしました。
こんな夜中に何を書いてるんやと思いつつ、日曜の深夜です。
次の人を紹介します。
表面に現れた成果の10倍がんばっている努力の人、
素晴らしい人柄であらゆる相手を味方にしてしまう奇跡の人、
山崎隆明くんです。
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