リレーコラムについて

犬紙?

加藤充彦

すみません。
先週末、犬紙の放送、なかったですね。
何人かの方からもご指摘頂きました。
申し訳ありません。
いま最新の放送予定を調べていますので、
追って予告させていただきます。

さて、中堅コピーライターがテレビ番組の制作を通じて
広告について考えるシリーズ第2回。
今回は“ぽさ”について。

これもあたり前のことなんですが、
番組は1回コッキリなコンテンツです。
いつもCMを作っているときは、
何度見ても飽きないものを心がけているのですが、
番組はそうではない、
とあえて心に決めて臨みました。
なんかCMの人が作ったものみたいって言われるの
カッコ悪いじゃないですか。

初見で設定も分かるようにしないといけないし、
せりふを咀嚼できる間を演出で用意したり、
せりふだけではわかりにくい回想シーンは
映像を用意したり、
なにかしながらでも展開について来てもらえるように
できるだけ構成を工夫したり。
思いつくことは、だいたい脚本に盛り込みました。
予算の都合で、演出も自分でやっているので、
思うさま工夫しましたよ。
幸い、尺は3分程度あるので
まぁ、おおよそのことはトライできました。
ちょっとゆるい感じとか、編集でも超意識して、
テレビっぽい感じを狙いました。
そういうの、もともと自信はあったんです。
だって、いつもCM作っているとき、
コレCMっぽくないよね
ま、悪くないけど賞は獲れないよね、的なこと
言われ続けてきたので。

それで、できあがってみたものを
どう、テレビっぽいだろ、みたいな気持ちで
会社の人に見てもらったんです。
そしたら言うんですよ。
昼は量産型、夜はシャア専用と恐れられている
ズゴックみたいな風貌の若者が、開口一番、
なんかCMの人が作った感じで良い感じしますわ。

あ、そう。そうなの・・・。CMっぽい?マジで?
キミ、ほんとに夜はシャア専用だね。
オレのわき腹に、グッサリとクローを突き刺してその笑顔。

泣きながら、速攻、家帰って観ましたよ。
私の座右の銘、ゴットファーザー1・2・3。
そしたらコッポラ先生は言うんですよ。
2カメがない、と。
そして3カメもない、と。

もうガッカリです。そして悔しかった。
サラリーマンになってから最大の悔しさです。
それが僕には、甘えのように感じられました。
いままで僕は、セリフを、いや、言葉を
ほんとうに大切にしては来なかったんだと。
繰り返し見てもらうことに、甘えていたんだと。
それではいいCMが作れる訳が、ありません。
なんとも言い訳のしようがありません。

NO
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