リレーコラムについて

趣味と広告/ロック篇

廣澤康正

黒須さんからの電話で安請け合いしたのはいいけど、さて何を書こうか、けっこう悩んじゃいました。その結果、僕のテーマは「趣味と広告」に決まりです。なにしろ僕の趣味は殆ど仕事に反映されていて、そのぶん仕事が趣味のようにもなってるし、楽しめてるんじゃないかと思うのね。なのでこの機会に、自分の趣味と仕事との関係を考えてみるのもいいなぁと、いうわけです。まず第1回目は、「ロック」について考えていること。

え〜と、僕は、かなりのロック好きです。ビートルズが解散してジミヘンもジャニス・ジョプリンも死んじゃったのが高校1年の時で、考えてみれば凄い年だったんですね。その後、ブラスロックにはまり、グラムロックにはまり、プログレにもはまり、あとはもうレゲエだのヒュージョンだのファンクだの何でも来いってな感じでした。その傾向は今でも続き、最近では日本モノならエレファント・カシマシや椎名林檎、インディーズ系でブラフマンなど。アチラモノならジャミロクワイやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、スマッシング・パンプキンズ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどなどを通勤中に聴いてる毎日でございます。

で、こんなにロック好きなもので、実はCMの企画をしてるときでも音楽にはヒソカに入れ込んでるわけです。通常、音楽はカントクたちの仕事になってたりしますけど、企画段階で音楽の話が出るともう黙っちゃいられません。そんな中で特に嬉しかったのは、前回のコラムを書いてた黒須さん達とご一緒した三菱自動車の仕事で、ジョン・レノンの「パワー・トゥー・ザ・ピープル」が使えたことかなぁ。もちろんこれはただの趣味じゃなくて、そのクルマを「パワー・トゥー・ザ・ピープル」という考え方で訴求しようという前提があってのものでした。でも、けっこう短期間でオンエアが終わってしまい、ちょっと残念だったなぁ。いちばん最近では、みんなで曲の相談をしてたときに、忌野清志郎さんが歌う「日本の人」がCMで表現したいことにぴったりだったので、オッケーが出たときは嬉しかったです。そのCMは佐川急便の企業広告で、オンエアは4月12日からです。もし耳にしたら覚えて一緒に歌ってみてくださいね。

でもね、僕は基本的に、音楽はつくれるといいなぁと思っています。ただターゲットの気をひく手段として往年の大ヒット曲を、コンセプトとは関係なくちょろっと使ったりするのは、ハンタイです。それよりは表現の一部として、できれば新しい音楽の、新しい感動を提供したいです。アリモノの方がいいのは、表現したいコンセプトに絶妙にピッタシの場合だけ。それに、過去の大ヒット曲に何千万ものお金を払うよりも、そのお金が例えば新人のアーティストの新曲をつくる資金になったほうがいいとも思います。いちロックファンとして。

そんな感じなので、こないだ関わったCMで「誰が歌ってるの?っていう問合せがけっこう多い」とクライアントの方から教えて頂いたのは、やっぱり嬉しかった。その曲をつくってる過程で、僕はただ「うん、いいよね。いいね。」って言ってただけでしたけどね。ま、僕の音楽と広告の日々はそんなこんなでこれからも続いていくといいなぁって思ってます。今日はここまで。あ、ご意見やアーティスト情報などは、hirosawa@mxz.mesh.ne.jp まで、よろしくお願いします。

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