通りすがりのコトバ
別に運命論者なわけではないけれど、
なにかに迷っているときに、通りすがりの人の声をきくようにしています。
たとえば、こんどの休みは温泉にいくか、久々に映画でも見ようかと考えているとき、
信号待ちをしているおばさんが熱海の話をしていたら、
それは温泉に行けってことだな、と思うわけです。
新しいブーツを買うか迷っているときに、
同じ電車の女子高生が「そんな男、やめなよー」と言っていたら
たぶんもっといいブーツが見つかるな、と思うわけです。
この話は行きつけのサロンの美容師さんに教えてもらったのですが、
ときどき他人の声に耳をすますと、だいじなことを教えてくれるらしいです。
(他人まかせの決断につき、人生の一大決心にはむきません。)
コピーが書けないときにも案外役にたちます。
以前にタクシーの運転手から、
「ねえちゃん、今日は天気がいいから働いちゃだめだよ」といわれ、
そのコトバに救われて、というよりそれをネタにして、
息詰まっていたラジオCMがスルッと書けたことがありました。
曲がりなりにも、コトバをあつかう仕事をしているので、
通りすがりの誰かの後押しになるコトバがつくれたら、うれしいなぁ。