リレーコラムについて

ラジオCMで新人賞が獲れなかった男

野原ひとし

おつかれさまです。
駅張りポスターのコピーで今年新人賞をいただきましたADKの野原です。

今年の新人賞は4人の方がラジオCMで受賞しています。
最高新人賞の上田さんを筆頭に、薄さん、佐藤さん、村山さん。
どの方の作品も秀逸で素晴らしい。
ていうかはっきり言って、クヤシイっす。

実は僕はラジオCMのコピーライターとしてキャリアをスタートしました。
ラジオCMの制作会社で4年間ず〜っとラジオCMのコピーばかり書いていました。
TVCFの仕事をしている知人からは、地味だとかつまらんとか言われていましたが、
中山佐知子さんや福本ゆみさんたちが数々の傑作CMを生み出したり、
梅田彰宏さんがTCC史上初!?ラジオCMのみで最高新人賞という快挙を成し遂げたりで、
新人コピーライターの僕をずいぶん勇気づけてくれました。

そして、ラジオCMで新人賞をとるのが僕の最大目標になり、
過去10年間のTCC年鑑から気に入ったラジオCMのコピーをファイルして、
それを手本にコピーを書き続けました。
毎年今では考えられないくらいいっぱいラジオCMを作りました。
その中から3本厳選して新人賞に応募し続けましたが結果は、

毎年一次審査落ち。

ラジオCMて、とっつきやすくて簡単に作れるように見えますが、
TCCで賞が獲れるものを作ろうとすると、
やっぱり相当な根気がいるんじゃないかと思うんですね。
最新技術を駆使したTVCFやコピーどか〜んのポスターを相手に、
音だけで勝負するわけですから。
コピーはもちろんのこと、声はどうするか?SEは?音楽は?音のバランスは?
それらをすべてコピーライター一人(専門のディレクターにお願いする場合もありますが)
で決めなければならない。たいへんです。
同期4人の方の頑張りにあらためて敬意を表します。

結局僕はラジオCMで新人賞が獲れなかった。
ラジオCMディレクターとしても名人の域まではいけなかった。
ラジオCM落ちこぼれ組みを自認している者です。
でも年鑑の投票リストで中山佐知子さんと福本ゆみさんが
僕のコピーに投票していただいたのを見て
ちょっと救われたなって感じがしています。
ありがとうございました。

今の仕事は、TVCFやグラフィックがほとんどですが、
本籍はラジオCM。
いつかおもしろいラジオCMを作って、TCC年鑑に載せたいと思っているのですが、
昨年あるラジオCMの仕事で、後輩が書いたコピーのほうがぜんぜん面白い、
とCD(TCC会員)に言われちゃいました。

やっぱり僕はラジオCM落ちこぼれ組みです。

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