リレーコラムについて

その時心は何かを話すだろう

井村光明

そんな夫婦別姓法案と関係無いとは思いますが、今年来た年賀状で一番面白かった、いや失礼、良かったものは、夫婦別姓になった僕の会社の同期の足立くん(とりあえず仮名)から来たものでした。
やっぱ、正月といえば年賀状ですよね!年始のコラムっぽいし。
昨今メールの普及もあってか、若いイケてる人たちは「年賀状とか出さないんで自分にはイイっす」なんて言ってるヤツが多いですよね。逆に言うと、イケメンに限って年賀状を出さないといった風潮といえるかもしれません。
つまりは、シンガタの権八さんあたりは年賀状なんてきっと出さないだろうし、逆に僕にこのコラムのバトンを渡した三井さんの旦那さんのワンスカイの福里さんや、蛍光TOKYOの前田さんからは年賀状を頂きました。やっぱそうなのかも!
僕はもちろん出す派DEATH!毎年ウシロ君という会社のADに作ってもらってます。
年賀状を作ったのは、年末年始がこんなにヒマになろうとはまだ気づいてなかった、12月20日ころでした。楽しかったなあ〜あの頃。ウシロ毎年ありがとう!

昨日も少し書いたんですが、昨今の個人情報保護のせいで名簿ってものが無くなってますが、みなさんどうされてますか?
「ルールはわかるけど、ルールはルールで、年賀状は文化だろ!年賀状出すためなんだから悪用するわけじゃないし、そもそも同じ会社なわけじゃん。いいじゃ〜ん、名簿くれたって〜」
ボクは微力ながら名簿をもらえるように管理部に聞いてみました。以下その時の僕と管理部の交戦の様子。口調は立場がわかりやすいように変えておりますが、内容的には原文のまま。管、は管理部。

管「無理です。規則ですから」
俺「でもよう、昨年くれたヤツのはいいけどよー、くれなかったヤツの住所は解んねーじゃん、それによー今年になって初めてお世話になったって人もいらっしゃるわけよ!な、名簿くれよ!」
管「個人情報保護の観点から、メールや電話で、その方に年賀状を出したいので住所を教えてくれませんか?とお伺いして、ご本人の許可を得て教えてもらって下さい。実際もう学校とかでは名簿は作ってないようですし」
俺「そんなことだから学級が崩壊すんだよ、ボケっ!そんないちいちいちいち住所聞けるほどヒマじゃねーんだよ(当時)、だいたい年賀状ってのは、あ、こいつから来たか!、って不意打ち感が大事だろ。聞いてどーすんだよ。そもそもお前は、パッと、名簿も見ないでパッと、この人とこの人とこの人と〜この人に年賀状出そう!って名簿も見ないで決めれんのかよ?名簿見ながら、あっ、そうだこの人いたいた〜あっぶねえ忘れるとこだった。てのが絶対あるじゃん、脳トレの漢字覚えるヤツで3分見ても6つしか思い出せなかったオマエが名簿見ないで年賀状書けんのかよ!?名簿くれよ!」
管「手帳を見ながら思い出すので書けます」
俺「なんだと〜っ」
管「でも井村さん、社外の方の場合名刺の住所、会社に送られてるわけですよねえ。いっそ社内の人も会社の住所に送ってみたら確実じゃないでしょうか?」
俺「俺はほんとは会社に出す年賀状とか、会社のハガキで来る年賀状があんまし好きじゃねーんだよ!なんか仕事してるからしょうがなく出してる感じがするじゃねえか!最初はしょーがねえよ、でもよう、その年賀状にちゃんと家の住所も書いてあって、次の年からちゃんと自宅に出せるだろ!それが真心だろ、人情ってもんじゃねえか。お前の彼氏がいつまでたっても会社の電話番号だけで、自分の携帯や家の番号教えてくれなかったらお前どう思うんだよ!信用できねーだろ、それでも寝んのか!?だいたいてめえ、そこのポストからココ(自分の会社)に切手はって送れって言うわけ?じゃあ社内便で何百通も出すけどいいってことだよな?そういえばオマエ、社内便でヴァレンタインデーのチョコを送っちゃいけない通達の時、そこまでいうことないんじゃない!って言ってたもんな!」
管「ヴァレンタインのチョコは個人情報保護とは関係ないじゃないですか。それに社内便より自分で席に置きに行けばいいじゃないですか」
俺「俺年末は田舎に帰るから置けねつってんだろ。じゃなんでお前チョコ直接渡しに行かなかったんだよ!いいから名簿くれよ!」
管「お気持ちはわかりますが、個人情報保護もコンプライアンスとかと同じで、BS7799とかを取得するための、会社が取引をしていく上で守らないといけないことなんです。私の一存ではなんともできないことですのでご理解下さい」
俺「だから俺はBS7799にも反対だって言ったじゃないか!クリアデスク委員になるのも断ったろ!!これはグローバルスタンダードと日本の伝統的な文化どっちが大切かって問題だろ!!なあ、ねーちゃん、時計はブルガリでチャラチャラしてるクセに、雑誌とか見た時だけ京都行きた〜いとか言いやがって、いっつも都合よすぎんだよてめえは!」
管「  、  、  、  、  、  、  」
俺「  、  、  、  、  、  、  」
管「  、  、  、  、  、  、  」
俺「 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、す、すまねえ、ちょっとオイラ小学校は剣道部、高校は柔道、大学はちょこっと空手部だったせいか、日本の文化にはうるさいとこがあってな、、、オラが言い過ぎた。。。」
管「大丈夫です」
俺「よかった〜笑。
  、、、、、、、、、ねえねえ、ところで昨年のボクの年賀状覚えてるかな?」
管「なにかヘビメタのような年賀状でしたよね」
俺「そうそう、で、その切手なんだけど」
管「切手?」
俺「うん、切手。実はね、ボクね、毎年11月1日は郵便局に行くんだよね。なぜかって言うと、その日に毎年年賀ハガキと切手が売り出される日だからなんだ。ほら、ボクの年賀状って毎年印刷だよね、ホントは年賀ハガキに印刷できるといいんだけど、版の都合でできないんだ〜。よくオリジナルの年賀状作る人って、普通の切手とか料金別納で出すでしょ。でもボクには、ちょっとしたこだわりがあってね、、、」
管「こだわり?」
俺「そう、こだわり。
ボク、年賀状にはお年玉クジがついてないとねっ、って思ってるんだ。それがどうしたの?って思うかもしれないし、周りの人を見てると、せっかくのクジなのに当たりハズレすら確認しない人のほうが多いみたいなんだけどね。。だからボク、せめて切手はクジつきの50円切手、寄付金つきだから53円なんだけど、を買うようにしてるんだ。ちっぽけなことだけど、、、でも、同じように思ってる人がこの日本中にはいっぱいいるみたいで、その53円のクジつき切手はすぐに売りきれてしまうんだよ。初日でね。KATTUNのライブみたいでしょ 笑。しかも郵便局にはファンクラブとかないから優先予約もできないしね 苦笑。でもさ、こんなメールで電子年賀状とか言ってる時代に、おとしだまクジにこだわっている人がまだこんなにもいる。そんなこの国と文化を、ボクはまだ信じてみようって思うんだ。それで、昨年なんだけど、ボクプレゼンで11月1日に郵便局行けなかったんだ。。。当然売り切れててね、、、どうしようって思ったの。でもさ、元日の朝、年賀状を待ってる人おとしだまクジを楽しみにしてる人が大勢いる、ボクも子供の頃そうだったから、そんな子たちを悲しませたくない。そう思って迷わず80円のクジつき切手、寄付金つきで83円なんだけどね、で昨年は出したんだよ。。。バカだよね、俺。でも、それでいいんじゃないかな、って思ってる。ぶっちゃけ、俺だって年末の忙しい時期に、年賀状作って、宛名書いて、切手はるのは面倒くさいな〜もうやめちゃおっかなあ、と、くじけそうになったことあるよ。でもさ、最初に話したと思うけど、そういうとこから学級崩壊が始まると思うんだよね。。。今年は53円の切手が買えた、クジつき。今年もたくさんの人に出したいな、年賀状。。。
  ねえ、誰にも言わないから、俺だけにわけてくれないかな、名簿。」
管「ダメです」

やっぱ、無理でした。
僕のいる博報堂クリエイティブヴォックスは小さいですが、管理のしっかりしてる会社です。安心してお仕事が発注できますね!あと、冷静に自分の話した会話を文章にしてみると(口調はデフォルメしてる部分もありますが)、なぜ自分が子会社に飛ばされたのかよーくわかるというものです 笑。
しかし、ほんとにみなさん名簿がなくなって年賀状どうされてるんでしょうか?お困りとは思いますが、クジだけに、くじけないでね!

おっと忘れてた、自分も出すから来るのが面白い年賀状!僕の同期の足立くんから来た年賀状は夫婦別姓のつまりは離婚のアナウンス年賀状。
よくあるのは、年賀状で昨年まで家族みんなの名前が書いてあったのに、今年はその本人だけ。
とか、いきなり引越しました〜とか書いてあるんだけど、なんだか新住所がなにやら若向けな、いかにも単身者っぽい、前の住所からグーンと都心に近いマンション名。
(あれあれ、あれれ〜てことは???俺本人にはつっこめねーよ〜)
的なものですが。足立くんのがすごかったのは、
「僕たち別々の道を行くことにしました〜」というのが、ここが大事!、二人の名前で来たってとこだ!!!一人じゃなくって、両方記名で!
しかも、念入りにも奥さんの名前の後には(旧姓足立)!
旧姓のこんな使い方はじめて見た!新しい!!
二人でドアを閉めて、二人で名前消して、その上二人で年賀状出そうとは!最高だぜ足立!!

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