リレーコラムについて

スターウォーズ、見た【後編】

古田彰一

それでスターウォーズエピソード?はどうだったのか?【後編】

 コンピュータで造形されたキャラクターの完成度が高すぎると、かえってドキドキしないのはなぜだろう。画面上にこれでもかとばかりに現れる数多くのキャラは、その動きがスムーズすぎるがゆえに、かえって目新しさがない。クセがない、とでも言おうか。ゾウやキリンはとても珍妙な動物であるが、存在することが当たり前なのと同じように、ジャー・ジャー・ビンクスや各種キャラも「自然な存在」になってしまっているのだ。つまり、自然すぎるCGキャラは、もはや「見せ物」としてのおもしろさの大部分を失ってしまっている気がしてならなかった。

 その意味で、スターウォーズ新三部作は、もはや特撮やキャラなどの「見せ物」を楽しむ映画ではないのかもしれない。仕掛けがナチュラルになればなるほど、結局は人間ドラマに興味の対象は戻っていく。エピソード?や?ではもっとその傾向が強まって、CGよりも、セリフや表情のほうがよほど気になる、という当たり前の回帰現象が起こるかもしれない。

 さて、無理矢理ひるがえってみて、CMはどうだろう。クルマが、風景が、タレントが、どんどんリアルでスムーズなCGになっていくなかで、最後まで喉に引っかかるように残るのは、コトバだけなのかもしれない。唐突にはじまって強引に終わって申し訳ないが、エピソード?を見たら、なんだか手作りのごつごつした感じのするコピーが書きたくなってしまったのだ。(この項、オシマイ)

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