リレーコラムについて

個人的なこと

佐藤延夫

誰か僕に、領収書をわけてください。
大日の佐藤延夫です。
今日もお付き合い願います。

3日間にわたるメール企画も無事終了し
リラックスムードの木曜日は、少々個人的なことを。

バイクでひとり、温泉に行くのが好きです。
考えるまでもなく、
バイクで温泉というのは
あまり効率的な趣味とは言えません。

冬場などは最悪です。
寒い思いをして温泉に向かい、
湯につかれば反対にのぼせあがり、
また冷たい風に凍えながら家路を急ぐわけです。

雨降りの日も
ずぶ濡れになってひた走り、
湯につかってさらにびちょびちょになり、
再び酸性雨のシャワーを浴びて帰るわけです。

ちょっとしたM行為。
でも、生きている、という実感を手に入れることができます。

数年前、9月頃のことでしょうか。
僕は長野から栃木に抜けるべく
夜通しバイクに跨がっており
日が明けるころ金精峠まで辿り着きました。
しかしここでアクシデントが起きたのです。
濃霧発生。
前後不覚、2メートル先が見えない状況です。
それと同時に、秋とは思えない寒さに襲われました。
僕はといえば、ペラペラのジャージを着ているだけ。
標高が高けりゃ寒い。
そんなことにも気付かない無鉄砲ぶりです。
助けを求めるにも、
すれ違うクルマなど一切なく
バックミラーには、白いモヤモヤが映るのみ。

霧のなかに、ひとり。

尾崎放哉気分で呟いている場合ではありません。
「いよいよ死ぬかもしんないなー」と
妙な緊張感に包まれつつ、
寒さのあまり指先が言うことを聞かなくなってきました。
頭がぼーっとしています。
もうどれくらい走ったことでしょう。
下りのワインディングを這うように抜けると、
そこには日光湯本温泉の看板が!
すぐさまホテルに飛び込んだのは言うまでもありません。

やわらかな硫黄の香りは、神様からのご褒美か。
パンツを自力で脱げないほど窮していた僕は
脱衣所で派手に転びながらも、なんとか湯船に飛び込みました。
めきめきと音を立てて、体の端々まで血液が行き渡ります。
理由もなく涙がぼろぼろと零れ落ちます。
大声でうおーと叫んでしまいます。
そして強く感じるのです。
「僕は、生きている。」

だからバイク温泉は、やめられない。

先日、リレーコラムで全国各地の方から
メールをいただいたとき、実は別なことも考えていました。

「皆様なら、きっと素敵な温泉をご存知に違いない」

全国各地、地元の人しか知らないような
秘湯、名湯を大募集!
さあ皆様、今すぐ
satoh@dai-nichi.co.jp
までお願いします!

なんと図々しい男でしょう。
なんと世話の焼ける34歳でしょう。

全国どこへでも伺います。
北海道はカムイワッカにも行きました。
四国では、地獄の国道439号も制覇しました。

湯あたり歓迎、佐藤のリレーコラムを今一度救ってください。
お陰様で、あと1日だけ続きます。

佐藤延夫の過去のコラム一覧

1929 2007.03.30 愛すべきラジオCM
1928 2007.03.29 個人的なこと
1927 2007.03.28 結果発表
1926 2007.03.27 続報
1925 2007.03.26 参加型コラム
NO
年月日
名前
5836 2024.12.26 小林大 極めるチカラ
5835 2024.12.25 小林大 泣かせるチカラ
5834 2024.12.24 小林大 う⚪︎ちのチカラ
5831 2024.12.23 小林大 コピーのチカラ
5827 2024.12.22 都築徹 包丁
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