風呂入れよ!歯磨けよ!
村山覚
今日、TCC會報が届きました。特集はリレーコラム。
ただでさえびくびく書いているのにこんなタイミングで
特集されるとは…、運が良いという事にしておきます。
5日間、こんな貴重な機会とスペースを頂き、
ありがとうございました。いつかどこかでお会いした時に
「読んだよ」と4文字言ってもらえたら最高に幸せです。
さて。
4月6日は、ワシントンが初代大統領に選出された日。
218年も前のことだし、そもそも大統領にはあまり興味が
ありませんが、今日にもってこいのネタがありました。
それは、桜。
小学生の頃、本の匂いに満ちた図書室が大好きで、
ついでに図書委員の子も大好きで、毎日のように通っては
偉人の「伝記」を読みまくった時期がありました。
エジソン、野口英世、ライト兄弟、小林一茶、…。
それはもう闇雲に。途中からは貸し出しカードの一番下に
自分の名前を書く事が目的、みたいになったりして。
その中には当然ワシントンもいて、かの有名なエピソード、
「父の桜を切ったけど正直に打ち明けたらむしろほめられた」
話が書いてありました丁寧にイラストまでついて。
子ども心に、正直者のワシントンはえらいなぁ、よりも、
優しいお父さんだなぁ、とか、子どもが斧持ってるなんて
さすがアメリカ!と思った記憶があります。
10年くらい経ってから、そのエピソードが
伝記作家(牧師さん)の創作だったということを知りました。
正直者のエピソードが、嘘。
これはすごい構造です。自分はさておき、みんなヨロシク。
例えるならば、美容師さんの寝癖、顔色が悪いお医者さん、
歯磨けよ!って毎週言ってたカトちゃんが実は総入れ歯、
ぐらいの無責任さです。
でも、牧師さんのことを嘘つき呼ばわりする気には
なれません。「ワシントンは正直者だった」という
伝えたいこと(what to say)に、厳格な父、綺麗な桜、
ピカピカの斧などいろんな演出(how to say)をして、
みんなに信じ込ませたストーリーの勝利だと思うから。
正直者の名前がつけられた首都、ワシントンD.C.を流れる
ポトマック川沿いには日本から贈られた3000本の桜が
見事に咲くそうです。これもまたグッドストーリー。
* * *
屋形船から見た桜の思い出とともに佐藤延夫さんから
受け継いだバトン、やっと次の方に渡せる日がきました。
(5日間長かったなぁ。僕の駄文も長かったけど…)
お渡しするのは、OgilvyOneの阿部晶人さん。
10年前の春、葉桜が目立ちはじめた大学のキャンパスで
出会って以来なにかと相談に乗ってもらっている心の師匠、
所属していたオーケストラの先輩でもあります。
カンヌのサイバーで銅賞を獲ったり、クリオの審査員を
務めたりする一方で、自由が丘でベビーカーを押しまくる
ナイスパパです。ハードルは村山が全部倒しておきました。
よろしくお願いします!!!
「春の日のペテン師」 作詞作曲:ウィームズ斧山
♪〜
じゃあ桜を切ったことにしない?
あなたのそのアイデアが 私の心をざわつかせる
Really? 嘘は嫌いだって あれほど言ってたのに
嘘じゃないさ GeorgeのためのGood Storyだぜ
もうあなたったら 言葉のペテン師
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