結婚する。
モーニング娘。が、できまくってますね。
僕のイブニング息子。もなかなかのもので、めでたく「授かり婚」を
することができました。ちなみに、嫁さんとは遠距離恋愛だったので
いつ受精したのか完璧に分かるのですが、どうやら危険じゃない日
だったみたいです。ぐそ…もとい、蛇足ですね。
と下ネタばかりですみません。こんな話をしたいわけじゃありません。
実は結婚って、すごくめでたいことなんですが、僕たち夫婦にとっては
なかなか辛いものだったんです。
挙式当日も皆さんに祝っていただいている舞台裏にはベッドが準備され
常に誰かが横たわっていました。もちろん嫁のつわりもあったのですが、
ベッドの主は義父でした。
膵臓がん。ちょっとでも医学を知っている人であれば、この病気の猛威は
理解できると思いますが、義父も闘病生活の傍ら、私たち夫婦の披露宴の
ために病院を抜け出して駆けつけてくれたのです。
そんな義父も、今年の2月に他界してしまいました。余命半年を精神力で乗り越え、
1年ちょっとの余生を楽しんでくれたと思っています。すごく男としても尊敬できる
義父だったので、少しでも息子として甘えることができたらよかったな。
そんな大先輩の義父にさせていただいた唯一の親孝行かつ親不孝が、妊娠でした。
なので正確に、私たちは「授かり婚」を実現できた幸せ者です。
でもついに、お義父さんは孫の顔を見ることなく、他界してしまいました。
こうして生まれた娘に、「彩世(さよ)」という名前をプレゼントしました。
ようやく富田の家庭に、本当に笑顔になれる瞬間が舞い込んだのです。
僕は生まれてはじめて、神様という存在に感謝しました。(昨日の神様じゃありません)
そんなわけで結婚って色々な形があると思うのですが、私たち夫婦は
地元の熊本県で出会ったため、結婚して半年間、一度も一緒に暮らしていません。
でも、この特殊な夫婦関係も初盆後には、ようやく終わりを迎えそうです。
そんなある日、「広告批評」を見ていたら、とある広告にスポットが当たっていました。
「癌に教えられる」(宝島社)
癌によって結婚をし、癌によって妊娠。
癌によって命をなくし、癌によって生を尊ぶ。
私たち夫婦にとっては少なくとも、癌はとても身近な話です。
僕は大学や会社ではなく、家族という人間関係の中から、
とてもとても大切なことを教えられた気がします。
時は金ならず。
「この素晴らしいコピーを書いている人は、同じ熊本県の出身だよ」
明日、嫁に教えようと思っています。
富田安則:ys_tomita@r.recruit.co.jp
富田麻美子:mamiko19780822@yahoo.co.jp