ひいき目
岩崎亜矢
「東京広しといえども、こんなにかわいくてかしこい女の子はアキちゃんだけだよ」
今日、表参道の駅でこんな声が聞こえてきて、「なんじゃい」と思い振り向いたら、おじいちゃんが目を細め、目の前の自分の孫を褒めていました。
そんなおじいちゃんの熱い台詞を無視し、口を開けてあさっての方向を見てるその「アキちゃん」はお世辞にも利発そうには見えず、東京一かわいいのかと問われれば、それもまあちょっと言い過ぎではないかと思われる少女だったので、私はと言えば、結構ほのぼのと見ることができました。
こういうことを、もすこしストレートにしょっちゅう言うから、会社ではみんなによく「ワルサキ」と言われてます(というか、ほんとはこんな悪口はかわいいほうで、よくF○○Kとかぶつぶつとつぶやいているので、まわりからしょっちゅう引かれています)。
ただ、自分の孫や子どもをかわいいと思う気持ちは誰しもが抱くものなので、非難はできません。現に私も愛犬のもんちゃん(豆柴・メス)が、神々しく見えてしょうがないときがあります。もんちゃんの目を見つめながら、その頭をなでながら、「100万遍かわいいと言ってもまだ言い足りないぜ」と思うことはしょっちゅうです。
他の人の目には、なんてことない柴犬のうちの一匹にしか見えないのでしょう。そんなこたあ私もわかっているのですが、それでも誰かにこの「かわいさ」、というよりも、「美しさ」を力説したい気持ちにかられっぱなし&もんちゃんのかわいさにやられっぱなし。
何かを心から真剣に思う気持ちほど、はた迷惑で幸福なものはないと、もんちゃんの話題を誰かにするたびに、心の中でひそかに思います。
なので、まわりの人ごめんなさい。これからももんちゃんについての、私のアホ話を聞いてください。
そして、これから出会う人も、ごめんなさい。先に謝っておくので、私のもんちゃんのろけ話をぜひ辟易しながら聞いてください。
※コラム,さぼりがちでごめんなさい。
もんちゃんにかまけていたら、時間が過ぎていました。
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