2013→2022
社長はえらい。
と心から思えるようになったのは
自分が経営者になってからだ。
2013年のある朝、不安な夢から目覚めると
私は社長になっていることに気づいた。
当時の私は
ワザナカという会社に間借りしているだけの
フリーランスコピーライターだった。
2年前にはTCC新人賞もいただいて仕事は順調。
お仕事さえいただければフリーランスは気楽なものだ。
が、当時の代表が突然「会社を辞める」と言った。
このままでは会社は解散、スタッフもみんな失職。
ちょっと前にTCCリレーコラムで
ワザナカ愛を書き綴ったばかりだというのに!
「オラが引き受ける」と私は言ってしまった。
そう。カッコつけてしまったのである。
「カッコつける」には2種類あることを
当時の私は知らなかった。
その場だけで済むやつと、
その後ずっと続けなきゃならないやつだ。
社長業は後者だった。
2022年、経営者になって10年目に入った。
今なお「向いてねえー」と思わない日はない。
もしも若い人から
「フリーランスになりたい」と相談を受けたら
「やりたいことやりなよ、人生一回だから」と答える。
「社長になって人を雇いたい」と相談を受けたら
「よく考えろ、人生一回しかねえぞ」と答える。
世の中の社長さんたちは、
それぞれの場所で、たったひとりで、
愚痴も文句も漏らさずに
これをずっとやり続けているのだな。
本当に頭が下がります。
社長はえらい。
私もいつかそうなりたいとは思う。