リレーコラムについて

プレゼン下手のすすめ

中澤昌樹

 
4日目にして書くことがなくなってしまったので、
以前、知人のブログに提供した文章を
加筆修正のうえ、再掲させて頂きます。
万が一どこかで見たことがあるという方、
決して盗作ではありませんので、ご了承ください。

さて、広告クリエーターの中には、
もともと「プレゼンが上手」というタイプの人がいます。
 
胸を張って、大きな声で、相手の目を見て堂々と話す。
要点を分かりやすく整理し、筋道だてて話す。
限られた時間の中で、
クライアントを納得させ、安心させ、信頼させる。
 
こういう能力というのは仕事の成否に直結するので、
ビジネスにおいては非常に大切です。
だからこそ、書店にはプレゼン術の本が並び、
どの企業もプレゼン力を磨くための研修に
力を入れたりするのでしょう。
 
しかし、私はここで敢えて断言します。
 
こと若手クリエーターに関して言えば、
プレゼンは、むしろ下手なほうがいいと。
 
それはなぜか。
 
上にも書いたように、プレゼンの巧い人というのは
クライアントの信頼を得やすく、
その結果、競合プレゼンでの勝率も高くなります。
それ自体は悪いことではありませんが、
逆に言えば、提案する中身、企画の良し悪しではなく、
その人のパフォーマンスでプレゼンに勝ててしまう可能性も
非常に高くなるのです。
 
また、こういうタイプの人は
企画で努力しなくても結果がついてくるため、
いつまで経っても企画はつまらないまま、
プレゼン力のみで仕事をする人になってしまいがちです。
それは広告クリエーターとして、
決して正しい進化ではないでしょう。

 
私の周りを見る限り、
それこそ「あっち側」にいる人たちは、
軒並み、あまりプレゼン上手ではありません。
 
ただ、そもそもの中身がきちんと考えられているので、
上手にしゃべろうとしなくても
自然と分かりやすいプレゼンになり、
じゅうぶんクライアントの信頼を獲得できる。
実はこれこそが、広告クリエーターの
本来あるべき姿ではないかと思うのです。
 

…と、こんな文章を載せていたら、後日、

「いや、プレゼンは巧いほうがいいと思います」

というコメントが書かれていました。
そんな当たり前のこと言って、どうするんですか。
 

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