世界を動かした、キャンペーン
白土謙二
恐らく世界中の人々が目にしたことのある
“THE BIG APPLE & ? LOVE NY キャンペーン”。
それは、1970年代都市としてあまりに腐敗し、魅力を完全に失ったかに見えた
ニューヨーク市(正確には州)の現状を憂いた、広告会社やメディアなどの若いスタッフたちと、ミュージカルスターをはじめとするその『志』に賛同した多くの才能が結集して、
“無料奉仕” いわゆる「Grass-roots Action committee(草の根活動)」として
見事に、実現されたものでした。
そのポスターの、 THE BIG APPLE というキャッチフレーズの下のリードにあった、
You have to be a little crazy to live in New York,crazy about
the theatre. ちょっとくらいクレージーでなきゃ、という言い回しがとても好きでした。
近頃、NPOや市民活動に関わる人たちと話をする機会が多くなって、
彼らにとっての「キャンペーン」とは、単なるメディア上の表現ではなく、
あくまで現実を変えていくための具体的な行動、それを促すための立体的な働きかけを
意味していることを学びました。しかも、お金をかけずに。
最近の薬害被害者の方たちの、国や企業との毅然とした戦い方を見ていると、
日本でも、これから、多くの社会的なキャンペーンが展開される気がします。
(つらいテーマだけではなく、たのしいテーマも、もっとあっていいと思うので)
我々も、従来の「表現」という枠から飛び出して、
あたらしいことの「実現」というフィールドで、何かトライしてみようと思っています。
そこで出会うあらたな人々や現実との出会いが、
これまでとはまったく違った発想のアイデアや社会的な事業を、
生み出してくれそうな予感がしています。
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