コピーライターのメモ帳
仕事柄、メモ帳を持ち歩いていることが多いです。
ただ、クライアントありきの実際の仕事は、
そんなにメモはつけません。
机やパソコンに向かって
集中的に取り組むしかない時間が
必ずやって来るからです。
むしろメモ帳に書き足されていくのは、
日ごろ不意に頭の中を通り過ぎていく
どうでもいいような物事になります。
コピーライターやプランナーの同業の方々は、
普段どんなメモをとっているんでしょうか。
「とらない」という人も含めてどんなものなんでしょう。
また同業だけでなく、広い意味で
「企画」という仕事をしている人のメモ帳は
ちょっとのぞいてみたい気がします。
メモ帳でなくとも、
思いつきの断片を書きとめたものとか。
一人だけ挙げるなら、
たけしさんの直筆メモを見られたら夢のようです。
振り返れば、「ひょうきん族」や
「元気が出るテレビ」など、
たけしさんが考え出したものを心待ちにしながら、
小学〜中学〜高校と過ごしていた気がするので。
だからたけしさんの著書のなかで、
普段から「こういう番組できたら面白い」というのはよく考えていて、
ジャンボの上にスペースシャトルが乗ってた頃、
その映像を「スペースシャトル盗まれる」っていうニュースにして…
などの企画はずいぶん練ったりした(内容略)
みたいな話に触れたときには
たまらない思いがしました。
もしかすると、
コピーライターという
企画の仕事にたどりついているのは、
10代のころたけしさんから受けた
「企画への憧れ」みたいなものが
ひとつの源流になっているんじゃないか? と
今になって気づいたりします。
さて、過去の自分のメモ帳をめくると、
うっかり勇気づけられるような教訓や
企画のヒントが時には書かれていて
妙に感心する場合があるのですが、
たいていは全くどうでもいいことが
いたずらに書きとめられています。
●円筒形のルイ・ヴィトンのバッグを見かけた。
今川焼が10個ぐらい入りそうだ。
●何かいいコピーをこないだ思いついたがすっかり忘れた。
たぶん、いいコピーでないのだろう。
●売れそうにないタレントの芸名
「ジャンクション川口」
●成功しそうにない人の座右の銘
「お楽しみは、これからだ」
●ありそうで絶対にない歴史上の名言
「旗包み? 藤子先生のやったことだよ」
(プロゴルファー猿)
およそ仕事の役には立ちません。
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