近所のことば
家の近所を歩いていました。靴に入り込んだ小石が痛いので立ち止まると、たまたま目の前に政治家のポスターが。キャッチフレーズが奇しくも、「人の痛みに敏感です。」
そんなことも忘れ去っていたある日、朝の満員電車にギリギリで乗り込みました。ラッシュ時ならではの徐行運転でなかなか隣の駅にも着きません。やがて線路の傾斜も手伝って、すし詰めの車内に体重移動が起きたため、全身がドアにギュウッと押し付けられました。痛い。ふと窓ガラスの外を見ると、高架沿いに建ったすぐ目の前のマンションの窓から、こちらに向かって微笑みかけてくる政治家のポスターが。すごく嫌な予感がしたのですがやっぱり、「人の痛みに敏感です。」
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休日の近所を歩いていると、どこかのおじさんが犬を散歩させながら、犬に何かを語りかけていました。が、よく聞くと桃太郎の話! 犬が人間から聞かされる桃太郎の話って。きび団子を食べるためには、鬼ケ島行きも辞さない自己犠牲と食欲のストーリー。犬にとって最大のカタルシスは、きび団子を食べる瞬間…。どうか鬼ケ島から帰った後も、犬がたらふくきび団子を食べられるようなストーリーにしてやって。そう願いながら彼らを見送りました。もちろんエンディングまでは聞いていません。
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みうらじゅん&いとうせいこう「ザ・スライドショー」のバカ絵馬が好きで、神社に行くとよく絵馬を見ます。近所にも小さな神社があり、まとまった絵馬が風に揺れて音を立てています。ある1枚には、願意(ねがいごと)という印字に続き、学生による乱雑な手書き文字で、
「内定もらえますように。
インカレ優勝できますように。
あとオレ…
絢子が好きだ…
2008.1.1 ○○○」
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急行の停まらない駅から、徒歩15分。
のどかな町です。
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