リレーコラムについて

仮面ライダー誕生

藤崎実

昨夜、NHK-BS2で7夜連続の
「石ノ森章太郎特集」が始まったのを偶然知り、
その第一夜「仮面ライダー誕生」をちょっと見てみました。

ちなみに今年は氏の生誕70周年記念。
没後10年に当たるそうです。

  ◆◆

いや。面白かった。で、結局最後まで見てしまいました。

考えてみれば、僕の子供時代である1970年代は、
「仮面ライダー」「ウルトラセブン」「初代ルパン三世」
「宇宙戦艦ヤマト」「マジンガーZ」「ガッチャマン」
「巨人の星」「あしたのジョー」「キカイダー」
「未来少年コナン」などなど、
今でも根強い人気を誇る名作の宝庫。

それらを僕は毎日、毎週、リアルタイムで全てを見ていたわけで
何とも幸せな子供時代だったと、改めて思ったのです。

いや、オタクだったというわけではなく、
何というか、それらは子供にとっての
最先端コンテンツだったのです。

そもそもテレビという時代のツールの創世記であり、
テレビ番組の高度成長期。
子供はいつの時代も新しいものに敏感だと思うのですが、
日本中の子供の興味は、
それらの番組だったのですね。きっと。

※ちょっと細かいようですが僕はガンダムは見ていません。
あのオンエア時はすでにこの手の番組から卒業していました。

   ◆◆

で、本題。
全く知らなかったのですが、特集でオンエアされた「第84話」は
石ノ森章太郎先生自らの監督作とのこと。
で、驚くべきは空撮の多さ。さらには画面構成の映画っぽさ。
(これは見ていて「映画っぽいな」とすぐにわかりました)

また敵が迫り来るモンタージュでは、何と音声が一切カット。
う〜ん。これって素晴らしい。

実験的でもあり、心理描写でもあり、
つまり作者の「これを一度やってみたい!」に
溢れている気がしたのです。

石ノ森先生のマンガの構図は映画っぽさに溢れている、
との解説もあり「やっぱりな」と思った次第です。

 ◆◆

余談ですがあまりにも面白かったので放送後、
いろいろ検索して調べてみたところ、面白い事実を発見。

何と仮面ライダー2号の登場は
藤岡弘さんが撮影時の怪我で出演できなくなった
緊急事態から生まれた苦肉の策だったとのこと。

だから仮面ライダー1号は急に外国に行ってしまい、
突然番組から姿を消したんだ、と永きに渡る謎も解明。

しかしこの不測の事態が、
ひとつの番組に2人のヒーローが登場するという
かつてなかった作品世界の広がりを持たせたのは確かで、
子供ゴコロに新鮮な印象を持ったのは事実です。

つまり番組で描かれているのは一部であって、
「今こうしている間にも、
もう1人のヒーローがどこかで活躍している」
という設定は、
今までにない不思議なリアリティに溢れ、
子供ゴコロに相当わくわくする世界観を
与えてくれたのです。

 ◆◆

ピンチはアイディアで解決する。
そしてそれをプラスに生かす。

広告の企画と一緒ですね。

NO
年月日
名前
5793 2024.11.05 御倉直文 コピーと短歌は似ているか?違うか?
5792 2024.11.04 御倉直文 短歌、はじめました。
5791 2024.11.01 長谷川智子 愚痴る力
5790 2024.10.31 長谷川智子 茄子の煮物はタイムマシン
5789 2024.10.29 長谷川智子 スペイン語に騙されて。
  • 年  月から   年  月まで