リレーコラムについて

円山町のラブホテル

川上徹也

東京に来て初めてラブホテルに行った。

こっちに引っ越してもう5年にもなるのに初めてというのは
恥ずかしいが事実だからしかたない。

しかももっと情けないことに色っぽい話ではない。
撮影で行っただけである。

関西在住のころは本当によくお世話になったし、
評論家並みに詳しいこともあったのに…。
奢る平家は久しからず、だ。

前から疑問に思っていたのだが、
東京は関西に比べてラブホの数が少ないような気がする。
ちゃんと資料を当たった訳ではないので、
間違っているかもしれないが、少なくとも都市の規模に比べたら
絶対に関西の方が多い気がする(乱れた日本語)。

関西でラブホテル街といえば、主なものだけでも、
桜の宮、十三、生玉町、堂山町、上六、天王寺、阪奈道路、
豊中IC、茨木IC、京都南IC、北野、花隈、裏六甲等
いくらでも浮かんでくるのに、
東京では渋谷、新宿、池袋、新横浜ぐらい?
もちろん郊外にいけば色々あるんだろうけど、
それにしても、である。
(ひょっとしたら知らないだけかもしれないが)

いったいどうしてだ?
[東京の人間はシティホテルでスル]
[東京の人間はひとり暮しが多いから自分の部屋でスル]
色々な仮説が頭をめぐる。

しかも今回、もっと根源的な事実を発見してしまった。
何と、東京は休憩の最小単位が2時間なのだ。
「そんなの当然じゃん」とか言われそうだが、
関西では1時間が当り前だ。
そんな常識でずっと暮らしてきた人間にとってはかなりショッキングな事実だ。
[東京の人間は前戯が長い]
[東京の人間は後戯が長い]
色々な仮説が頭をめぐる。

「そんなことどうでもいいから、これ以上TCCのHPの品位を汚さないで」
という声が聞こえてきそうなので、もっと熱く語りたいところであるが、
このあたりで辞めておくことにする。

そういや、私が生まれ育った大阪のある街は、ラブホ街のすぐ近くだった。
部屋のベランダからは、多くのネオンが見えた。
まだ小学生に上がるか上がらなかった頃、
私は母に以前から思ってた疑問を投げかけた。

私「ねえ、どうしてこんな温泉も海もない場所に人が泊まりにくるの?」
母「泊まる人だけじゃなくて休憩しにくる人もいるのよ」

何だか、よくわからない説明だったけど、妙に納得してしまった6才の私。

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