リレーコラムについて

酒と音楽と

土井隆史

女の人がたくさんいる飲み屋が苦手です。
楽しくないと言えば嘘になりますが
「なんでこんな仕事してるの」とか「親は知ってるの」など
口には出せない愚問がアタマに浮かんできて、ひたすら居心地が悪い。
では、居酒屋の次にどこに行くかと言えば、音楽を聴きに行きます。

渋谷にレコードをかけてくれるロックバーがあります。
60〜80年代の奇盤、珍盤、名盤が何千枚も集結、増加中。
iPodは便利で楽しい発明ですが、大きなスピーカーから
放たれたアナログレコードの魅力とはベツモノですね。
ジンを飲みながら、次は何、聴こうか考える。
誰かがリクエストした曲を知らなくて、マスターに
こっそり教えてもらうのも、そのイットキの恥が楽しい。
お客さんが少なければ(よくひとりだけだったりします)
POP GROUPのYとか、長時間耐久プログレもかけてくれる。
「STAR MAN」や「Come On Eileen」とか
CFに使った曲を選んだこともある。
基本は会話がしやすい環境ではないので
(そりゃロックが大音量ですから)
自然とコピーのことを考えたりもする。
とくに興味のないジャンル「米国製ヘビメタ」とか「MTV的商業ロック」
のリクエストが集中した際にはね。
レコードに囲まれていて感じているのは
CDと違って、LPは視覚的表現物でもあるということ。
中でもヒプノシス(Hipgnosis)が手がけたジャケットはどれもスゴイ。
とエラソーに書いてますが、ヒプノシスもこの店で教えてもらいました。
じぶんの知識が偏狭なのを行くたびに思い知らされる。
ちょっとMっぽいですが、悪くないのですよ。

数え切れないほどの友人、知人を連れて行きましたが
ほとんど定着しません。安いし、近いし、サッポロ黒ラベルもあるし
ちょっと排他的な雰囲気もないことはないけど、すぐなじめるし・・・
いろんなロックバーに行きましたがここがいちばん。
ストロベリーフィールズっていうベタな名前です。
よろしければ、ぜひ。

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