母

自分が今まで出会ったなかで最も非社交的な人間、それが母です。
良く言えばまじめで、律儀。悪く言えばネガティブで、人間嫌い。

そんな母とは物心つく前から仲が悪く、母のお腹にいるときも異様にお腹を蹴りまくってたとか、いないとか。母が嫌がることをするのが生きがいで、いつもいたずらをしては折檻されてました。

例の学校を火事にした時も、PTA会長だった母は学校に来ていて、息子に大恥をかかされ大激怒。2週間近く家に泊めてもらえませんでした。
ホームレス中学生という本がベストセラーになってますが、小学生でホームレス状態で、公園で寝たり、友達の家にこっそりあげてもらったり、犬小屋で寝たりしてました。独立心が強く、たくましく育ったのは確実に母のおかげ。先週のコラムの日下くん同様、世界中の僻地を旅して回ってますが、スラム街でも、戦争国でも実家よりは安心です。ナイフ突きつけられてもホールドアップにあっても母の怖さに比べたらたいしたことないかと。

厳しい親に育てられた子にはよくある話なのですが、現実逃避から自分の中にもう一人の自分が出てきた時期があります。詳しく話すとディープなのでさらっといくと、しだいにその彼と妄想の中で話をしはじめる。強引に解釈すれば、このとき何千時間と費やした妄想は想像力を必要とする今の仕事に一役買ってるかもしれないし、そうでないかもしれません。