リレーコラムについて

シンジンゼミ

小澤裕介

橋口くんからのバトンを放置して、あらら水曜日。
すみません。

今年、新人賞をいただいた、小澤裕介といいます。
“新人”というピュアな響きに押し潰されそうな、38歳です。
なんて照れ隠しを言ってみたものの、ほんとうは、
高齢受賞も悪くないなぁ、なんて今ジワジワ感じています。
もちろん理由はありまして。

まずは一つ目。
まわりの人たちが、こちらが戸惑ってしまうほど、
ほんとうに慈悲ぶかい表情や言葉で祝ってくれる。
これ、高齢新人賞の大きな魅力の一つかもしれません。
幸せなんです。おトクなんです。オススメいたします・笑。

お次の二つ目。
ひょっとすると僕は本当にピカピカの新人なのかも・・・
という心地よい勘違いが、あやうく確信へと変わりそうになる。
つまり、若返るってことなのですが。
ま、僕が古いとか古くないとかはさておき、
少なくとも、またスタートボタンを押せる感じはあるのですね。
新人という響きのパワーには。知りませんでした。
そういえば4年前、11年間仕事をした名古屋から
東京に転勤してきたときにもやはり、
スタートボタンを押すことができました。
ありがたい節目だなと。
竹は節が多いほど強いらしいですね。

そして三つ目。
蝉になれます、蝉に。シンジンゼミ。
もしも、すごく大人な年齢で生まれた人間がいたとしたら、
残りの人生に短さを意識して、蝉のように
休まず鳴き続けることができるんじゃないか。ミンミンミン。

忘れてたワケです。

先へ進むための時間には、限りがあるということに。
というか、片目つぶって目を向けないようにしてたんですけど。
ハッキリしちゃいました。もう少しハングリーになれそうです。

ああ、新人。恥ずかしくていい言葉だな、という話でした。

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