4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
そう、僕は、村上春樹が大好きです。
作文は好きだけど、作文を書くために夏休みしか読書をすることがなかった僕が、
本をよく読むようになったきっかけ。
同じゼミを取っていた友達が、大学1年生の誕生日に
「潤ちゃん、おめでとう」と、1冊の文庫本を贈ってくれたことです。
『風の歌を聞け』でした。
大学時分の僕には、激刺さり。
何度も読み返しては、友人と池袋のバーをはしごして、
フライドポテトとビールだけで語り明かしたものです。
意識してつくった物憂げな佇まいが、
周りの女の子にはピカピカ輝いて見えるんだろうなぁと満足していました。
でもその後出会ったこのコラムのタイトル、
『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』
という短編小説がいちばんです。
中身を読まなくてもドキドキしませんか。
ほら、ほほが赤くなってきましたよ。
なんて。
100パーセントの人に出会えるかもしれない、
と心の片隅で信じながら生きているだけで、しあわせになるんです。
僕はもう、何人か出会うことができました。
え? 100パーセントと言うからには、一人じゃないのかって?
そんなの悲しすぎるじゃないですか。いいんです、何人いても。
お父さん、お母さん、弟。
ネコはコロ助とスミレ。犬はケビンとクッキー。
すでに7(人&匹)。
人生を彩ってきたたくさんの友人たち。
そして、今の僕をつくってくれた山本高史さん。
はじめて講座で会ったとき、作品集だけで号泣させられ(もちろん感動して)、
その後の飲み会では、箸を逆さまにして焼き鳥をほぐすなんて男らしくねえな。
と、ムスーっとした顔で叱られて、ミョーに怖かった人。
講座が終わっても、会社が違っても、3年以上かわいがっていただいています。
転職活動がどうしてもうまくいかないで、落ち込んでいた夜。
深夜1時くらいに電話がかかってきて、タクシーで三茶へ。
バーの扉を押し開けて顔を見た瞬間、抱きついて大泣きしたこともあります。
誕生日の夜に徹夜をくらった僕から、飛び込み営業をさせられている話を聞いたとたん、
俺がその社長と話つけてやる! と、本気で怒ってくれたこともあります。
リクルートに就職が決まったときも、TCCを受賞したときも、いつも傍にいてくれました。
無愛想だけど、僕の全部を見てくれています。
こんな恥ずかしい話を勝手にしたら、きっと、叱られます。
内緒です。内緒にならないか。
でも、本人を前にしたら、言えません。
短く、ありがとうございますとしか、言えません。
男にこんなこと言われても、気持ち悪いっすよね。
今日は、許してください。
100パーセントの先生へ。