ドラマのような二人
おはようございます。
新聞配達員の鈴木です。
二日目の今日は、配達中に見かけた
カップルのお話をしたいと思います。
ある夜、
僕がいつもの様に新聞を配っていると、
「ちょっ、待てよ!」
と、男の声が聞こえました。
振り向くと、向こうから女性が歩いてくるのが見えました。
その夜は少し肌寒かったのですが、
彼女は恐らくパジャマ姿で、
しかも裸足で歩いていました。
そして、どうやら泣いているようなのです。
『なんだ、なんだ?』と、よく見ると
彼女のすぐ後を追う男の姿が見えて、
彼女を引き止めようとしているようでした。
僕は、その二人の雰囲気から全てを察しました。
恐らく、
男の名前はケンジ、売れないミュージシャン。
女の名前はユミ、ケンジの恋人で彼の夢を応援していた。
ミュージシャンとして芽が出ないケンジは荒れていた。
そんなケンジを、ユミはホステスをしながら懸命に支えていた。
ある日、ケンジはユミの親友のトモコから
ユミがケンジの子を身篭っている事を聞かされる。
ケンジは今までの自分を反省し、決心した。
“ユミと子供を守る為、夢を捨てて働く”と。
その夜、ケンジは自らの決意をユミに告げた。
するとユミは堰を切ったように涙を流し、
靴も履かずに外へと飛び出していった。
急いで後を追うケンジ……
そうして、今の状況へと繋がるわけです。
二人の間に、そんな事情があったとは。
恐らく、
この後二人は、夜通し歩き続けて海へと出る。
朝日に照らされ、砂浜を歩く二人。
「これからは、二人で幸せになろう。」と、ケンジ。
「二人じゃなくて、三人でしょ。」と、微笑むユミ。
「三人じゃなくて、四人だよ。」と、お腹の双子ちゃん。
見つめ合う二人。
Fin
…えーと、
あれ?どこまで配ったろう?
勝手な妄想から、どこかで見た事のあるような
D級ドラマになってしまいました。
もう途中から、新聞を配っていた記憶がありません。
結局、その日は一件の不着をしてしまいました。
配達中に退屈なときは、よく、こんな妄想にふけったりするのですが、
あまりのめり込み過ぎると、痛い目をみます。
お仕事は、集中してやらないとダメですね。
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