リレーコラムについて

「やま」のはなし。

西尾ヒロユキ

土曜日の僕は、自由だ。

僕の会社は土日が休み、
奥さんの病院は木日が休み。
土曜日、奥さんは病院へ診察に出かける。
これ以上の自由な日はない。
しかも一週間に一度、この自由な日はやって来る。
午前中は家の掃除をして、
お昼過ぎに本を一冊もって、
数年前まで住んでいた街のカフェへ行く。
これが自由な土曜日の定番だ。
もう6年以上も通い続けている。
このカフェで、年に2、3回お会いする人がいる。
秋山晶さんだ。
お店に来ると奥の席に座り、珈琲をひとり飲んでいる。
ときどき、シフォンケーキも食べている。
今日のコラムは、昨年の7月に秋山さんとお会いしたときの話。
秋山さんだから、「やま」のはなしだ。
その日も僕はビールを注文し、本を読み始めた。
そこへ、秋山さんがやってきた。
あいさつをし、カンヌの話になる。
カフエのマスターから聞いたのか、
僕がカンヌに行ったことを知っていた。
昨年、ヤングカンヌのプレス日本代表は、
秋山さんの会社のクリエイターだった。
話から、秋山さんが相当期待していたのがわかる。
「佐藤先生に聞いたら、
『いけるんじゃないか。』と言ってくれたんだけどなぁ。」
と、カンヌでの結果をとても残念そうに話した。
「佐藤先生?」、って顔を僕がしたら、
「佐藤雅彦先生、知ってるでしょ。」と言われた。
もちろん知っている。
僕が驚いたのは、
秋山さんが自分より年下の佐藤さん(もちろん教授だけど)を、
『先生』と呼んでいることだ。
つねにトップを走り続けている人は、
誰もが人を敬う気持ちを持っている。人に対して、つねにていねいである。
決して、人を見下したりはしない。
絶対に忘れてはいけないことだと思う。
すべては、人。
すべては、人からはじまる。
なぜなら、すべての広告は人の幸せのために存在するものだから。

シフォンケーキを食べている秋山さんは、カッコよかった。

TCC事務局の佐藤さんから、メールをいただいた。
2/11は祝日なので、リレーコラムもひと休みしてOKとのこと。
ひと休みします。

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