リレーコラムについて

「ネタ」が、ない。

佐藤弘美

やっと、最終日。昨日で、僕のすべてを吐き出しました。素っ裸です。
で、mixiにたった一度だけ日記を残したのですが、コピペします。
・・・・・・・あっ、できないっ。打ち直します。

2日目で書いた、初期立ち飲み屋の話です。mixiのマイミク51人のうち
40人は常連さんなんで、文章が少し普段着な言葉使いですが・・
僕は、そこで「アンディ」と呼ばれてます。2回だけ参加した
異業種交流会(ウザッ!)で、2回とも違う女性が寄ってきて、
「アンディ・ウォホールに似ているって言われません?」だって。
あっ、ハッピー・ニューイヤー=うれしい初耳。
それから、なぜか立ち飲み屋で呼ばれているんです。似ているのは、白髪だけ。
ケンタッキーおじさんの、「カーネル」でも、宮崎駿ポニョでもいいんです。
では、その日記です。

日々くり出し、常連の若い男のコと女のコに相手にしてもらって、
好きな曲が夜11時を過ぎる頃には大音響に変わり、年を忘れて踊りだす。
さみしがりやのオレは、癒され、活力というエナジーを体感する。

その店が、改装のため、もうすぐ1週間休むという大将からの携帯メール。
その瞬間、オレは心にポッカリと空いた大きな穴を発見する。
あまりに、なさけない空虚な日記を書き始めている自分を、遠くから見つめている。
きっと、誰にも理解できない感覚。たかが、飲み屋じゃないか。そう言うのですか。
ふざけるな。人間が、存在してるんだよ。
帝国ホテルだって、ディズニーランドだって、会社だって、交差点だって、
刑務所だって、国会だって、公衆便所だって、立ち飲み屋だって。

今日も行く、きっと。そして、昨日や一昨日と、まったく変わらない自分になる。
エアーギター!!! 違いと言えば、ほんの少しだけ周りにいる人たちが変わるだけ。
そして、ほんの少しだけ変わるオーダーの内容。

今日は、金曜。週末という同義語もある。
土・日は、夫になり、父となる。決して、いやではない。
休日にしかない楽しさも、ある。
それも、本当の自分。妻も息子も、リスペクトしている。

常連になった店は10軒を越えるだろう。でも、この店は、あきらかに、
あざやかに、別次元。理由は感じている。でも、言葉に変換することはできない。

この日記、誰に向かって書いているのか。マイミクには、たくさんの常連がいる。
きっと、返事もくれるだろう。ただ、ごめんね。きっと、みんなのように、
オレからコメントを残さないと思う。脈略のない文章に、なってきた。
ピンボールの、球の動きのような文章だ。

オレは、今年最愛のオヤジを亡くした。
しかも、オレが生まれた同日・同時刻に死にやがった。
1分たりとも違わない、23日・午後5時12分。
医者が安物のデジタル腕時計を見て、言った。ご臨終です。

心電図の波が、水平線のように直線に変わった瞬間だった。
くだらないサスペンスドラマのように。
その水平線に、50年間オレを応援してくれた太陽が沈んだ。
決して、昇ることのない太陽が。
その太陽に、キスをした。まだ、温かかった。
人生で、最初で最後の、男へのキスだ。

誰かが言った、有名な言葉。朝の来ない、夜はない。ウソだ。

残されたお袋が、ひとり夕食を食べている姿を想像すると、目を覆いたくなる。
今日のオレ、あきらかに、変だ。なにを考え、なにを書いているのか。

そう、そう・・・あえて、この店を愛した理由をさがすなら。
人の優しさに背中を押され、人間は生きていくんだと感じる。みんな、愛してるぜ。

でっかく、とても優しい太陽を亡くしたオレ。
まだ、夜が明けずにいる。漆黒の暗闇。
ただ、ココに来てから1日1日と、ほんの、ほんの、少しずつだけど、
夜明けに近づいている実感がする。心が、白みはじめている。
ありがとう。

アンディ  オールナイト  言葉にすれば

アンディ  オールナイト  嘘に変わる

アンディ  オールナイト  このままずっと

アンディ  オールナイト  瞳を閉じて

すみません、アスパラ巻きとトマト巻きを、縦ロールでお願いしまーーすっ。
あと、ホッピーのナカ、濃いめでね。

このバトンを、ライトパブリシティの鉄人28号=宮寺信之さんに渡します。
1993年入会の、なんと最高新人賞です。
4日前もいっしょに、夜の街に、ガオーッ!しました。
彼も、この立ち飲み屋に横浜が自宅なのに、むりやり何度が連れていきました。
飲むといつも、ためになる独特の広告論を話してくれます。
来週からのコラムが、楽しみです。← プレッシャー!!!

以上。もし1週間続けて、読んでくれた人がいたら、本当にありがとうでした。

★これも、なにかのご縁です。下高井戸の立ち飲み屋に行ってみたいな、
という方がいらっしゃったら、ぜひ飲みましょう。
再オープンしたら、ご連絡しますので、メールでもいただけたらと。

sato@cc-lesmains.co.jp

大事な人ほど、時に見失います。毎日に、なじんでしまうから。
くれぐれも、大切に。

大事と、大切。どっちが貴重な言葉か考えながら、コラムを終えます。ほっ。

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