女性を信じちゃいけない話。
マミさんを信じようと思った。
一度目にマフラーをなくした時、その場所にはないと言った
チエさんを信じたように。たとえ、後日、その場所から
ちゃっかり見つかったという苦い経験をしていても。
二度目になくした日、店からの帰りしな、マフラーはあった
というマミさんの言葉を信じよう。
残る可能性は・・帰りに乗ったタクシー会社に電話をかけた。
事務所の女性が出た。ないみたいですねえ。
そんなはずはない。私は食い下がった。
もう一度、ドライバーに確認してみますねえ。
なぜ、私はチエさんやマミさんの言葉は信じ、
タクシー会社の女性の言葉は信じようとしなかったのか。
やっぱり、ないみたいですねえ。
そんなはずはない!私がそう思ったのは、
チエさんやマミさんが私より若く、タクシー会社の女性の声が
私より遥かに年上に聞こえたからだろうか。
私はそんなにあからさまな人間なのだろうか。
その翌々日、2月11日建国記念の日。
遅く起きた私が、クローゼットに入ると、えっ、嘘でしょ。
きれいに畳まれビニル袋に入った、紺地に臙脂の縞のマフラーが・・・。
どっかで一度落としたって言うから、クリーニングに出しといたの。
妻という名の女性がリビングからつぶやいた。
あのマフラーが幸運のマフラーか、はたまた不幸のマフラーなのか、
今もわかりません。たしかに2度目に見つかってから、
仕事のトラブルはさしてありませんし、車のルーフバーは
予想以上に安価で直せましたし、カーオーディオは
保証期間内だったのでタダで交換してくれるそうです。
しかし、ケータイのバッテリーは未だ長持ちしないし、
これを打っている今、PC画面に「現在、予備電力で動いています。
ACコードをつないでください」というメッセージが表示されました。
もう5時間も前からACコードを繋ぎっぱなしなのにです。
そして、なにより2度目にマフラーが見つかった翌日、
2月12日に前任者佐藤さんから、このコラム「次、書いてよ」との
不幸の(幸福の?)メールが入ったのです。
今日は、雪が降るほどの寒い日だったので、
例のマフラーをしてオフィスに来ました。
来週は、ココロにツッパリ、けれどその目に
極上の優しさをたたえた九州男児、緒方勝彦さんです。
緒方さんのマフラーはご無事ですか。
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