リレーコラムについて

思ったこと。思うこと。

緒方勝彦

今日は、不景気を実感した話です。
先月、仕事で東北の某県へ行きました。
初めて行く県だったので、ホテルの方に、
いろいろ訊ねて、それから街へ出かけました。

まず、中心街と言われたあたりへ行くと、
シャッターを閉めてる店がぞろぞろあり、
人影もほとんどありません。
「これ、言われた場所と違うんじゃない」と
一同の意見が一致したので、
次は飲屋街へと行ってみることにしました。

時は、夕方6時くらい。
飲屋が軒を連ねる場所を発見したので、
一帯を歩いてみることにしました。
ここもシャッターを降ろしている店がかなりあり、
寂しい感じでした。でもいちばん驚いたのは、
もう仕事帰りに、人々がアルコールを求めて、
ウロウロしていてもいい時間なのに、そんな人はいない。
1時間近くかけて飲屋街を歩き回ったのに、
大袈裟ではなく見かけた人は、道路工事をしている人が五、六人。
犬の散歩をしている一人。あと近所の人らしきお年寄り二、三人。
たった、それくらいの人しか見かけないのです。
「九州とは、飲みはじめの時間が違うのかもしれん」という
結論をその場では出し、一度ホテルに戻り、
9時過ぎてからもう再び出かけることにしました。

人は多少増えてはいましたが、どう考えても少ない。
とりあえず、店に入り飯を食って酒を飲みました。
酔っぱらったので、ホテルへ戻るために、
タクシーに乗りました。その時、運転手さんに、
この街の状況を聞いてました。
運転手さんは、バブルの崩壊と昔問題になった接待問題の
影響から立ち直れず、さらに昨年秋からの不況が
追い討ちをかけているということでした。
さらに、明るい時間に行ってみたシャッターだらけの中心街は、
本当に中心街ですかと訊ねたら、そうですと言われた。

いま世の中は、100年に一度の不景気と言われています。
不景気になると、広告費がいちばんに削られる。
広告って、基本はモノを売るために存在して、
売り上げと直結しているから、
削られてもしょうがないとは思います。
でも、この街を見て思ったことは、
街や人を元気にしたり応援することも、
広告にはできるし、実は今、一番やらなければ
いけないんじゃないかと、マジメに思ったことを
思い出したので書いてみました。

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