僕たちの好きだった広告
「広告批評」が休刊する、
というニュースを聞いたのはたぶん去年のいまごろだった。
「僕たちの好きだった広告」がいま、終わろうとしている。
そこには、文学があった、美学があった、
エンターテイメントがあって、インテリジェンスがあった。
クールがあって、キュートがあって、
センチメンタルがあって、チャーミングあった。
そして、あなたがいて、僕がいた。
資本主義の生んだ巨大で不思議なパトロンシステムが咲かせた
大輪の花に、僕たちはいつも驚き、歓び、憧れた。
変化の時代といわれるけれど、かつて、
変化の時代じゃなかった時代がどこにあったろう。
今日、書店で最後の広告批評を見た。
僕たちの好きだった広告を、僕たちは好きだった。
青山ブックセンターのエスカレーターを昇りきる。
4月の緑が午後の光を揺らし、まるで真夏のようだ。
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博報堂の原智史です。
2008年、東京メトロの80周年シリーズで
新人賞をいただきました。
どうぞ、よろしくお願いします。
SATOSHI.HARA@hakuhodo.co.jp
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