リレーコラムについて

cause

伊藤直樹

日本語で言うと、大義とか理由。

この世界不況に、

調子のいい自慢めいた広告は、

とにかく空しく見える。

社会的な大義や理由をつくることで、

すこし愛される広告になる、と思う。

たとえば、オーストラリアの島の

管理人を募集したキャンペーン。

あれは、ただの観光誘致が目的なのだが、

「世界でもっともおいしい職業」と提供し、

職を失う人も多いこの時代に、

広告としての存在理由をつくった。

ミュージシャンのOASISは、

新しいアルバムのプロモーションに、

なんとNY中のストリートミュージシャンを集めて、

一所懸命、曲の演奏の仕方を伝授した。

そして、ストリートミュージシャンはNYの街に散って、

通りすがる市民の前で、NYのいたるところで演奏してみせた。

ストリートミュージシャンにスポットライトを当てることで、

NYの街を勇気づけた。

世界不況に積極的に向き合っていく広告には、

ポジティブで力強いメッセージがある。

もっといいコトバを書きたいし、

もっと社会とコネクトした広告をつくりたい。

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