リレーコラムについて

仕事と。趣味と。

岡林和也

「趣味は?」と尋ねられると
「仕事です」と答えている。

ここ7年ぐらいのことだろうか。

だから、ほとんど休んでいない。

そもそも「攻性(こうせい)」という言葉が好きで、
「仕事は攻めるもの」という気質が、
休みを奪っているのかもしれない。

がある日、飲んだ帰りに
「今からビリヤードやりに行きませんか?」と
後輩が言い出した。

宴の3軒目がビリヤード。ま、いっか。
ということで新宿でビリヤードを。

ところが、玉が入らない。
酔っていることを差し引いても、入らない。
酔い覚ましにコーヒーなど注文し
真剣にやってはみたものの、入らない。
結構ショックだった。

実は、私は、かなりハマっていた時期がある。

高校生の時、遊びではじめ
浪人生の時、ハマり
大学生の時、ビリヤード場の店員になった。

プロになろうかと頭をよぎった瞬間も、ある。
そのぐらい真剣に、撞いていた。
大会で優勝の経験も何度かある。

が、やめた。就職して、きっぱりやめた。
コピーライターは、そんなに甘くないと実感したからだ。

8年間、一度もキューを握らなかった。

そして、また2年ぐらい復活して、またやめて
そこから9年間キューを握っていない。

飲みの帰り。後輩と遊びのビリヤード。
次の日(遊びだとはわかっていたが)
オレってあんなにヘタだったっけ?、
と自問自答している自分がいた。

その週末、倉庫から9年ぶりに、キューを出す。
キューのコンディションは、悪くなさそうだ。
そいつを握りしめ、知り合いの店に顔を出してみた。

「久しぶり!」などと昔を懐かしみつつ
相撞をきしてもらった。で、気がついた。
時代は・・・・変わっていた。正確に言うと、進化だ。

まず、道具がかなり進化していた。
理論も進化し、フォームも進化し、技術も進化し
プレイの質も進化していた。

ゴルフの石川遼のように
若く才能あふれるプレイヤーも多数出現していた。

2時間は撞いていただろうか
気がつくと、ニヤニヤしてる自分がいた。
「ビリヤード、おもしろいじゃん」。

また、はじめちゃうのかなぁ。
などと思いつつ、2日後。
私は、キューを握っていた。

でも、「趣味は、仕事」のままにしておこうと思う。

私にとっての「趣味」の定義は、
「もっとも攻性になれるもの」であるから。

みなさんの「仕事」と「趣味」の定義は、
なんだろうか。

追:

ビリヤード、たまにいっしょにやりませんか。
連絡ください。でも、遊びですよ(笑)

okabayashi@frontage.jp

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