おばちゃんと携帯
会社に行こうと、三鷹駅行きのバスに乗りました。
なんだか妙な空気。
それは、後方の座席に座ったある一人のおばちゃんが
大きな声で何かを朗読しているからでした。
その声の音量たるや、小学生の教科書の音読並み。
私はなんにも聞こえてないような顔でつり皮をにぎりましたが、
どうしたってバス中に聞こえちゃう音量です。
どうやらおばちゃんは、自分の携帯に届いたメールを
隣の席のお友達に読み聞かせている様子。
「昨日ようこちゃんとふたりでワクワクしながら三越でカバンをえらびました!」
えらびましたって言われてもね!と思いましたが
でもそのおばちゃんがあんまり嬉しそうで楽しそうで、
老眼だから両手でもった携帯をすごく目から離して読んでる姿もほほえましかったので
まいっか、と思いました。
おばちゃんと携帯といえば、うちの母もたくさん絵文字を入れてよくメールをくれます。
「この間まさこさんと府中の方に梅を見にいきました。
1165本もあってすごいの!とってもきれいでした。」
へーよかったねと思ってほったらかしにしていたら、
5分後くらいにまたメールがきて
「ごめん!梅の数は1165本ではなく正しくは1156本でした。ほんとにごめんなさい!」
「もうそれだけ梅あれば充分です」という返事を返したことを覚えています。
母は、私がもし梅を見に行ったときに
教えた本数より少なかったらがっかりするだろうと思ったの、と言ってました。
だいじょうぶだよ。
わたしもそんなマイペースなおばちゃんになれるといいなと思います。