リレーコラムについて

カツマタさん

太田祐美子

今年の皆既日食はイースター島で見れたそうですね。
昨年、同期のADカツマタさんと一緒に
屋久島に皆既日食を見に行ったことを思い出しました。

日食って、ほんの数分の出来事なのですが、
私たちは1週間まるまる休みをとりました。
宿はどこもパンパンで、5泊6日のテント生活。
屋久杉を見に行ったり、
もののけ姫の森に行ったり、
昼間何時以降ビールをガマンしたら
風呂上がりの一杯がおいしくなるのかを試したり、
私たちは屋久島を思う存分、満喫していました。

そして日食前夜。なんと台風直撃。
強風と豪雨でテントはもうぐらんぐらん。

やばい。我が家がなくなる。
責任感と正義感が人一倍強い私は、
真っ暗闇の中、びしょぬれになりながら、
テントのペグを補強したり、防水カバーをかぶせたり、
雨水が入ってこないよう土嚢的なものを作ってみたり、
必死でした。

カツマタさんはというと、テントの中でぐっすり。
たまに「あついよー」とか、むにゃむにゃ言って、
首をぽりぽりかいたりしていたので、
私はテント修復のかたわら、
カツマタさんをうちわであおいであげたりもしました。

末っ子体質って、末っ子体質でもまぁいっか、
って思ってるところが、末っ子体質なんだろうなあ。
だなんてちょっとした発見をしながら、
眠るカツマタさんを見つめていると。

バリリッ!!!!
めちゃめちゃ近くて、木が折れたっぽい音がして、
さすがに心細くなった私は、カツマタさんを起こしました。
「ねえ。大変だよ。ねえ、起きて。雨すごいふってるよ。ねえ。」

不愉快丸出しで起きてくれたカツマタさん。
テントの隙間から外の暴風雨をちらりと見て言いました。

「ふってないことにしよう。」

えーーーーー。
それはさすがに無理だよーーー。

と言おうと思ったときには、カツマタさんは
すでにすぴーすぴー寝てました。

て、話は全部ウソ。

何がウソかというと、
文章中のカツマタさんは、私で、
私は、カツマタさん、ということ。

カツマタさん。
あのとき、ごめんね。

酔っぱらうたびにこの話をいろいろな人にするのは、
やっぱり怒ってるから?
だよね。

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