27歳で死ねないなら、夜空の向こうを目指してく。
(コレは実にありがちな「○○は××歳の時に既にアレを成し遂げていたのに!」という人生の焦りを自分なりにこう消化した、というだけのお話です)
今年度、新人賞を頂きました博報堂の髙木と申します。
物騒なタイトルでいきなりアレなのですが、
音楽が好きだったり、詳しかったりすると、
「27歳」という年齢は少し特別な意味を持ちます。
そう、有名なミュージシャンが示しを合わせたように亡くなる年齢ですね。
ジミヘン、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソン、カート・コバーン、エイミー・ワインハウスなどなど…
ボクは高校生くらいのに時に、この法則を知りました。
そして、ふと思うわけです。
「自分は果たして、27歳の時どうなってるんだろう?何してんだろうなー?」
大学生になって、また思うわけです。
「あれ、オレもうあのミュージシャンがあの曲を出した時の年齢じゃん!えっ!なんもしてない!てか、したいこともない!」
さらにそのまま社会人1.2年目になり、深夜のオフィスでまた思うわけです。
「あれ、オレ27歳なっちゃってるよ!まだ何も成し遂げてないし!とりあえずカートコバーンみたいに髪と髭だけ伸ばしてみたけど!えっ!全然死ねないじゃん!」
(時代背景も立場も生い立ちも全てが違う人種と比べてこんな考えに至るのは実に視野が狭くて愚かなのですが、あえてこういった幼稚でガキっぽい考えを持ち続けて、焦ったりワクワクしたり遊びで考え続けるみたいなのが嫌いではなかったのです)
そんな不健全に27歳で人生を閉じるヒーローの生き方以外に「なんかないのー?」と思っていた自分が、
27歳より一つ上の28歳になった頃、
“スガシカオという生き方“と出会うのです。
「脱サラして、30歳でデビュー!?」
「デビュー曲で『ボクの青春なんて、たわいもない』なんて歌ってる…!27歳で亡くなってたら、絶対歌えない歌詞だ…!」
「31歳の時に『夜空ノムコウ』を作ったのか!ええやん!ええやん!」
しっかりと遠回りをして、実に健全に時間をかけて日の目を見る、という生き方を自分の好きな音楽というテーマでハッキリと会得できた私は、以後焦らずどっしりと構えながら仕事を続けていくことができるようになったのです…
という「知らんがな」中の「知らんがな」な
お話でした。
改めて、「日本弁護士連合会」さんのCMで新人賞を頂いた髙木と申します。
奇しくも、今年ちょうど31歳。
「これがオレにとっての『夜空ノムコウ』…?」
と思うと些か疑問ですが、
長丁場だったこの仕事の収録で疲れ切ってスタジオを出ると、
すでに朝4時過ぎで空が明るくなりつつあった、
って意味ではめちゃめちゃ「夜空ノムコウ」でした。
という締めで無理矢理、初回のコラム終わらせて頂きます。
(こんな浅〜い年齢論など関係なく、若い頃からずっと話題の広告を連発されている鬼才・松尾昇さんからバトンを受け取りました。1週間よろしくお願いします。)
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