怒られた時は、チャンスな件。【前編】
こう見えて、高校の時は生徒会長でした。
別に優秀とかではなく、ただの目立ちたがり屋だったので、
生徒会長になると全校生徒の前で話せるし、
生徒会新聞みたいなものも全校にむけて配布できるし、
これはいいぞ、という不純な気持ちで立候補しました。
奇跡的に選挙で当選し、晴れて生徒会長に選ばれます。
といっても、ちょっと想像していたのと違う。
わりと地味な仕事が多いし、
生徒会新聞は先生たちによる某国家並みの厳しい検閲がある。
しかも、それはそれは、かなり厳しく由緒正しい
私立のカトリック系男子高だったので、
「生徒会長なんだから」という視点で先生たちから見られ、
逆に不自由な高校生活になってしまいます。
うーん、こんなじゃ、生徒会長になった意味がないなぁ、
もっと目立ちたいのに。
そんな鬱憤が溜まったまま、あっという間に1年が過ぎ、
生徒会長の任期も残りわずかとなってしまいます。
すると、ある日、生徒会の先生に呼ばれます。
「生徒会長の最後の仕事は、4月の新入生の入学式での祝辞だ。
何か考えておくように。」
そうか、その手があったか!
もうこれで最後だし、おもいっきり面白いスピーチをして、
新入生と在校生を楽しませて、目立ってやろう。
(嫌な予感がします)
そして、高校生なりに考えました。
まず、入学式ですから、祝辞のテーマは、歓迎。
でも、新入生は緊張しているだろう。
彼らの緊張を解きほぐすには、相当面白い話でないとなぁ。
そして、在校生も聞いているから、彼らも楽しめる話でないと。
そして、競合は、校長先生の式辞です。
たぶん良い話をするだろうから、良い話では勝てない。
良い話は、禁止。
となると、もう下ネタしかありません。
いや、そんなことはないんでしょうけど、
その時はそう思ってしまったんです。
(バカですね)
とりあえず、一度、ありきたりな歓迎スピーチを書きました。
できるかぎり平凡に、基本に忠実に。パロディをやる時の基本ですね。
そして、そこに少しずつ下ネタを散りばめていきます。
あとは、鉄板の先生ネタもいくつか入れたと思います。
内輪ネタという、禁断の果実。
高校生としては、その誘惑を避けることはできません。
そんなこんなで、入学式の前夜まで何度も推敲を重ねながら、
本番の日を迎えます。
入学式当日。
たしか、
校長先生の式辞→在校生代表の祝辞→新入生代表の答辞?
みたいな順番だったと思うのですが、
とにかく緊張していたので、あまり覚えていませんが、
校長先生のスピーチは特にウケることなく、少しホッとしたのを覚えています。
(何かを大きく勘違いしています)
そして、自分の番になり、壇上に上がりました。
【後編】へつづく。
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