映画3
で、大学は迷うことなく映画学科に進んだ。授業ではアメリカ映画というよは、ヨーロッパものと古典的日本映画を徹底的に見させられた。モンタージュとカッティングの違いとか、溝口のワンシーンワンカット論とか、ベルイマン、ゴダール、トリュフォー、ルネクレマン、小津、黒澤、成瀬・・・なんて、かたい作品を批評対象にしてました(90年代初頭のオタクのカタチ)。
まあ、日本映画とヨーロッパ映画は静的で、よく似ているなんていわれるけど、
そういう哲学チックな理解しがたいものを自分勝手に解釈することが、当時はクール!!なんて思ってたんだよね。
そんなある日、また深夜TVですんごい映画に出会う。『真夜中のカーボーイ』だ。若き日のダスティンホフマンとジョンボイドの救いようのない挫折ストーリー。田舎のカウボーイがニューヨークに上京。自分をイケテルナイスガイ!と思いきや、都会の厳しい洗礼を受け、ホストにまでなりさがる。最悪だ。拠り所のないジョンボイドはホームレスのホフマンと関係をもつようになる。画面上には、二人の性行為は描写されない。が、二人の目つき、しだいに心を許していくさまを追っていくと、確実に水面下でホモダチにまで発展していたと思われる。
邦題を『真夜中のカウボーイ』としなかった点も秀逸だ。
サイケな編集もよかった。自分のちょっと先の未来さえ見えない、見ようとしない甘ちゃんの僕が酔うには、ちょうどいい作品だった。
ここから、一気にアメリカンニューシネマに傾倒することになる。
『泳ぐ人』『ワイルドバンチ』『明日に向って撃て!』『いちご白書』
『バニシングポイント』・・・・・・・・といった、オフ・ハリウッドものだ。
当時、このような破滅的な映画にいざなわれる心理状態って、どうなってたんだろう。(明日に続く)
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