リレーコラムについて

家の話をします4

荒木俊哉

今日は、家は家でも、実家の話をします。

うちの家族は、4つ下の妹と私のふたり兄弟。
実家では、幼いころから
それぞれに自室が与えられていました。

たしか、中2の夏だったと思います。
日曜の午後、『天使なんかじゃない』を借りるために、
妹の部屋に勝手に入った私は、机の上に無造作に置かれた、
表紙に何も書かれていない一冊の大学ノートを見つけました。

小学生なら、ジャポニカ学習帳だろう!このおませさんめ!
と、何も考えずに、そのノートをめくったところ・・・

そこに書かれていたもの。

それは、手描きの官能マンガでした。

ヘルメットで自転車通学。そんなど田舎の中坊で、
そっち系の知識がほとんどなかった私は、
4つ下の妹が、団鬼六も驚くほどの豊かな描写表現で描く
そのマンガに、釘づけになってしまったのです。

なぜか道ばたに落ちていたエロ本の切れ端に、
クラスメートと無邪気にはしゃいでいた兄。
(そういえば、エロ本、落ちてませんね。最近は)

それに飽き足らず、学生カバンの内ポケットに
友人のエロ本をしのばせていたことが親に見つかり、
こっぴどく叱られていた兄。

そんな兄を横目に、うちの妹は、
読んで楽しむなど、とっくに卒業。
自分で描いて楽しむ高みにまで達していたのです。
わずか、小4にして。

その後、足音をしのばせて自分の部屋に戻り読んだ
『天使なんかじゃない』が、
まったく頭に入ってこなかったのは言うまでもありません。

そして、その日以来、
私はいまでも、
妹を姉のように尊敬しています。

では、今日はここらへんで。

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