コピーライターということ
平山浩司
大きな組織。大きな会社。クリエーティブな面から言うと分が悪い。悪口はいくらでも思いつく。
で、ちょっとかばってみたい。それは当たり前だが、人が多いということに他ならない。駆け出しの頃、自分のデスクでコピーを書いている人は少なかった。共有の打ち合わせテーブルが随所にあり、そこで原稿用紙を開いた。すると、通りがかりの先輩たち、つまり一緒にに仕事をしているわけではない組織上の先輩たちが、どんなの書いてるの?とやってくる。退屈しのぎがてら、はたまたからかい半分。僕の場合は、太田恵さん、安西俊夫さん、佐々木宏さん……。先輩たちも新人は気になるのだ。いい迷惑なのだが、そのときの一言、アドバイス、罵倒は、いまでも宝物だ。なんだろう?直属の先輩から日頃教わることとも、もちろん血肉となっていくけれど、岡目八目というか、いい意味での無責任、理想論が正鵠を射るのかもしれない。しかし、この何物にも変えがたい、大きな組織のメリットがすっかり失くなってしまった。みんな忙しいのかな、恥ずかしいのかな、フロアのレイアウトが良くないのかな、と嘆いてばかりでもいられないので、声をかけた。「もし、コピーを見て欲しいなと思ったらいつでも。」なんかエラそうで、押し付けがましいから、なかなか言えなかったんですよ。ただ、若手、中堅のコピーライターがなんかポツンポツンと孤立して、ほっとかれている感じがしていて、これは自分たちの世代のせいでもあるな、と思ったから…。声をかけたのは二人ですが、一人はこのリレーコラムを僕の前の回に書いた荒木君。そして、今週お願いする大重さんです。大重さん、一週間よろしく。
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