リレーコラムについて

オイニー

篠原誠

さて、さて、昨日のコラムにつづいて、
本日も「老化」をテーマに書きたいと思います。
本日の老化は肉体的老化についてです。

若い頃、編集スタジオで徹夜明けの監督さんが、
ウェットティッシュ的なもので、顔をふいている姿を
見かけたときがありました。いわゆる手のひらシャワーでありますが、
正直、なにやっとんねん!とおもったりしたものです。
これは、おしぼりの使い方でも同じですね。
顔をふいて、あわよくば脇まで拭こうとするおっさんを、
まるで自分の延長上にはいないものとして見ておりました。
が、しかし、今、私、やりまくってます!!

なんで顔とか臭くなるんですかねぇ。
脂ギッシュというわけでもないのに、指で鼻の横を
キュキュキュとこすりまして、臭いをかいでみますと
これ、なんの臭い?という不愉快な臭いがいたします。
20代の時には、なかった臭い。その臭いが嫌で嫌で仕方がない。
さらに、最近にいたっては、鼻の横ではなく、おでこでさえも、
また、一風変わった臭いがするのです。こりゃもう、
おしぼりが目の前にサーブされた日には、こすりあげずには、
いられない。あれ、なんなんでしょうか。
加齢臭だと言ってしまえば、それまでなのですが、
そんなさびしい臭いではないのです、もっと邪悪な臭い。
いつからこの臭いがしだしたのだろう。記憶がない。
まるでコーヒーがある時、苦いものから、すっきりするものに
感じたように、この臭いはやってきた。

そして、最近、さらに気になっているのは、
この臭いの最終形であります。きっと私の歳で最終形なわけがないのです。
かといって、CDとかECDとかに、
「すいません、鼻の横こすらせてもらっていいですか」
と聞くわけにもいかず、ましてやベッドを共にして
肉薄するわけにもいかない。どんな臭いになるのだろうか。
逆に、徐々に臭いがしなくなるという仮説も考えられる。
よく人間は赤ちゃんとして生まれ、赤ちゃんのように死んでいくと
いわれる。そう考えると、赤ちゃんの匂いのように…。
いやいや、それだけはない。もっともっととんでもない臭いになるはずだ。
ああ、知りたい。でも、歳を重ねるにつれこの謎が解き明かされていくのも
これまた一興。30歳をこえているみなさん、人ごとではありません。
どうぞ、鼻の横を指でこすってみてください。
そして臭いをかいでください。
…ね。そういうことですよ。老化とはね、平等なのですよ。

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