命賭け。
なぜ、コラムを書いているのか・・・。
そうだ、新年早々、篠原先輩と有馬記念の反省会をしているときに
急にバトンを渡されたのだ。有馬記念の話をしていただけなのに・・・。
有馬、有馬・・・。
それは三年前の有馬記念。
訳あって、そのレースに人生のすべてを賭けることになっていた。
場外馬券場で馬券を握りしめ、モニターを見つめていた。
人生を賭けていた人は自分の他にも大勢いるように見えた。
極度の緊張と熱狂が漂っていた。
一瞬の静寂の後、ゲートが開いた。
が、その瞬間なんとけたたましい音量で火災報知機が鳴りはじめた。
「リリリリリリリン・・・・・・・」
「火事だ!」
よりによってこのタイミングで。
鮨詰め状態の6Fのフロアーは、混乱状態におちいった。
人生を賭けていない人たちは、レースを捨て階段に走った。
勇者だけがモニターのまえに残った。
一年に一度の夢レース。
さほど競馬が好きなわけではない。ただ、人生を賭けてしまっている。
迷ったあげく、自分もモニター組に残った。
意味不明な叫び声や罵声の中、あっという間にレースが終わった。
ありえない馬が飛び込んできて、例年にない高配当。
つまりほとんどの人がハズレている。
暴動がおきかけたのは、誤作動だと判明した直後だった。
警備員にモニター組がつめよりはじめたのだ。
「俺の有馬記念を、返せ!」。警備員にそんな権限はない。
「集中できなかっただろう!返金しろ!」。集中していてもハズレている。
「怖い思いしたんだから・・・返せ!」。なぜか情に訴えかけている。
もう、無茶苦茶な言いがかりである。
返せ、返せのシュプレヒコール。
ただ、いちばん驚いたのがその輪の中心に自分がいたことである。
レース直後はかなり気がふれていて本当にレースがやり直しになるかもしれない、
と本気で思っていたのである。
なんとも自分勝手な解釈をするように脳みそはできているらしい。
数時間後、冷静になってはじめて自分の愚かさに気がついた。
言い訳や言いがかりは本当に醜い。
なるべくそんなものを口にしない人生を送りたい。
悪いことはすぐに認めなくては。
そうです、コラム遅れまして本当にすいませんでした!
申し遅れましたが、今井と申します。
ほとんどの方、はじめまして。あけましておめでとうございます。
明日から大外一気でコラムを書いていきますのでよろしくお願いします。