リレーコラムについて

何度でも。

山上勇人

先日、テレビのニュースで被災したおばあちゃんが言ってたコトバ。
「みんな津波にのまれちゃったんけど、私は残してもらいました。」

避難所からのリポートで、被災したおじさんが言っていたコトバ。
「家族はみんな無事でした。ただ、義姉が、親族を代表して亡くなりました。」

生きていることや、死んでいくことに対する、この
謙虚でポジティブなコトバが、ずっと、心から離れません。

自然の猛威の前に、一年の努力が一瞬で吹っ飛ぶような体験を
何度も何度も乗り越えてきている農耕民族だからでしょうか。
東北という、毎年の厳しい冬と向かい合って暮らしてきた土地柄なのでしょうか。
これだけの悲しみを前にしても、なお、凛として穏やかなたたずまい。

ただただ頭が下がるおもいです。

そして、現地では、もう次々と被災者の方々が復興のために動きだしている
という話を聞くたびに、この国の人たちの底力に、改めて感動せざるを得ません。

震災以降のラジオで一番多く流された歌は、ドリカムの「何度でも」だそうです。

 10000回だめで へとへとになっても
 10001回目は 何か 変わるかもしれない

この歌詞に託された日本人の粘り強さを、僕はいま改めて
こころから尊敬しています。

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