かみしめて、かいてみる。
ちょうどもう、4月も終わろうとしていますが、
僕はいつも、桜を見ると、上京してきた年のことを思い出します。
友達も少なく、とても寂しい気分が続いていたことが思い浮かびますが、
寂しいときほど、寂しい小説や音楽を求めるのって、
何でなんでしょうか。
数学チックにデジタルチックに考えると、
マイナス×マイナス=プラスとなるように、
小説や音楽の孤独×自分の孤独=光、となるんでしょうか。。
京都出身で大阪梅田などをぶらぶらした高校生活を過ごし、
都会が怖い訳でもなかったのですが、
どうも東京ではビクビクしてたなあ。
人は、新しい街、新しい組織に身を投じるというのは、
予防接種のように孤独を植えつけられるのかもしれません。
でも、この孤独は徐々に終わりを告げていく孤独であります。
友達や知り合い、顔なじみの店が出来てくるにつれて、終わっていく。
逆に、新しい環境での、新しい出会いを得られたときのうれしさって、
格別ですよね?
ああ、さっきまでの孤独が終わっていく。。。というあの感覚。
皆さんは、いかがでしょうか。
ただ、孤独が終わっていくにつれて、
人間関係など諸問題の煩わしさも発生してきます。
もちろん、一人じゃないからこそ、喜べたり、楽しめたりすることはあるけれど、
一人じゃないからこそ生まれる、ややこしさや気分の悪さもある。
けれど、それが好きと嫌と関わらず、
その環境からはじき出されたときの孤独って、
予防接種で植えつけられた孤独と違い、より根を深く自分の中へと下ろし、
重くて、結構つらい。
いじめ、ほどヒドくなくても、少し距離を置かれてしまったときに感じる孤独は、
この孤独にあたるのではないでしょうか。
やっぱり、一人ではないからこその孤独、がいいな。
孤独から抜けた後にでも、しっかり感じることのできる孤独。
いま、僕は周りに誰も知り合いもいない、
店自体も初めての店でこれを書いていますが、
一人ではないからこその孤独、って気持ちのいいものですね。
これを読んでくれているあなたがいらっしゃるから、
僕はつまり、一人ではないのです。
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