ライブだよ、全員集合
今日はバンドの話をしましょう。
私は「COAT’S(コーツ)」というバンドで作詞作曲、ボーカルをつとめています。
なぜに「COAT’S」かというと、バンド結成当初、
全員がコートを着て演奏をしていたからなんです。
バンドの独自性を出す手法として、そんな手しか思い浮かばなかったのですね。
現在、コートを着るのはボーカルの私だけです。
しかも暑いし動きづらいので、だいたい1曲目が終わると脱いでしまいます。
私が初めてステージに立ったのは、入社の翌年、
デザイナーに誘われ、会社のXmasパーティーに出演したときです。
ステージといっても、会場は会議室、ステージは机を並べたもの。
観客はすべて社員です。ライブが始まる。
当然みんな、おしゃべりかナンパか食事に夢中で誰も演奏なんか聞いていません。
しかしステージというのは異次元の世界です。とてもおもしろい。
こりゃ、来年のパーティーも楽しみだ。浮き立つ心を抑えきれません。
ところが翌年、いつの間にか私はメンバーからはずされていました。
楽器ができるわけでもなく、歌がうまいわけでもない。
なによりバックコーラス担当だったのに、興奮のあまり勝手にボーカルの声に
かぶせるようにメインのメロディーを歌ってしまったのが致命的でした。
いわば人が気持ちよくカラオケで歌っている最中、
突如マイクを奪うような暴挙です。
にもかかわらず、分をわきまえない私は自分の所業を反省するどころか、
「俺をはずしたことを後悔させてやる」とばかりに
即席バンドを結成しました。それが「COAT’S」の原型です。
現在は固定メンバーですが、結成当初、
メンバーはそのときそのとき、やってもいいという人を寄せ集めました。
そのため、選曲のポイントはあまり練習しなくて済む、
簡単なわりに派手に聞こえる、勢いでいろいろごまかせる、といったところ。
しかし、バンド結成9年目、「線香のひと」という曲が雷鳴とともに
神の啓示として下りてきて、以来、オリジナル曲ひとすじになりました。
見よ、まばゆいばかりの「COAT’S」の名曲ラインナップを。
1.線香のひと
2.明日に架けるはしご酒
3.ロシア風居酒屋より愛をこめて
4.友よ(友に捧げるバラライカ)
5.金など無用節
6.ハイサイお嬢さん
7.どっちもこっちも
8.ずんたかマーチ
9.二人のバースデイ
なお、「友に捧げるバラライカ」は後日、ララバイをバラライカと間違えて命名、
ということが判明。メンバーのだれもその間違いに気づいていませんでした。
歌のうまくない私は一度ボーカルを降りようとしたことがあります。
しかしメンバーのひとりが、「バタヤンがボーカルだからCOAT’Sなんだよ」
なんて言ってくれた泣けるひと言に励まされ、私は歌い続けています。
バンドのピークは、2005年。
「おとなのイカス!バンド天国」決勝大会出場でしょうか。
最近は忙しさにかまけ、ライブもついお留守がちですが。
広告業界を目指すみなさん、
このようにコピーライターには素人作詞家・素人バンドの道もひらけています。
目指せ、内輪(うちわ)で人気の隠れスター!
(今回は自慢話満載。猛省しつつ次回。おたのしみに!)
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