リレーコラムについて

第二話:その男、『T』くん パート2

廣瀬泰三

ども、電通関西の廣瀬たいぞーです。

またTくんの話である。(昨日のが数人に好評だったので)

高校2年生の正月、彼と『年賀状合戦』という
誰も得をしないものを始めてしまいました。

「年賀状は贈り物だと思う」というコピーがありましたが
「年賀状は、戦争だと思う」がその頃の感覚でした。

ルールは簡単。

ちょぴりハードな内容のものを送りつけるだけ。
もちろん年賀状なので家族の目に触れる可能性があります。
だからひとつ間違うと相手の家庭が崩壊します。

来る元旦の早朝、
ボクはソワソワしながら、郵便受けの前をウロウロ。
なぜなら
ボクが1番に仕分けしないと家族に彼からの年賀状を見られてしまうから。

「ブロロロ・・・」

バイクの音がして、我が家にも大量の年賀状が到着。

いそいそと年賀状を仕分けするボク。
これはおとん、
これもおとん、
これはアニキ、
これはおかん、

ん?何か変な感触のものが・・・
見ると差出人の名前が書いてません。

だけど見覚えのある汚い字。

そう、Tくんからの年賀状です。

ペラッと裏を見た瞬間、全身の力が抜けていく。

『生ものですので、お早めにお召し上がりください。』

という言葉を添えて、彼の毛が貼り付けてありました。

「核爆弾送ってきやがった」と思ったボクも応戦。

彼には、ちゃんと元旦に1枚出してたのにも関わらず、
もう1枚素敵な年賀状を作成。

わざと正月明けの4日以降に着くように送ってやりました。

内容は、ここでは言えません。

そんなこんなで楽しい正月が終わり、
冬休みもあと少しなんて思ってたら・・・
うちの電話が鳴りました。

ボク「もしもし」
T「ルール違反や」

ボク「え?」
T「さすがに5日に着くのはルール違反や!油断しきってたわ!」

ボク「ルールなんて最初から無いやんけ。」
T「あれ見たうちのおかん、めっちゃ哀しそうやったぞ。
    あんな哀しそうなおかん始めてやわ・・・」

ボク「作るのに、2時間かかったからな」
T「来年は覚えとけ!ガチャン!」

こんな高校生活でした。
誰も幸せにならない「年賀状合戦」。

ボクはいまだにこの年賀状合戦の癖が抜けず、
元旦の朝は勝手に早起きしてしまいます。

今となっては、さすがにお互い結婚もし、止めていたのですが
先日Tくんと飲んでたら、そろそろ復活させよか?などと言いだしたので
いかに年賀状合戦が不毛か?をプレゼンしました。

でも、ボクは、
エキサイティングな人生を演出してくれる彼に感謝している。

もし、ご意見ご感想があれば、taizo.hirose@dentsu.co.jpまで
よろしくお願いします。

ではでは、また明日〜。

NO
年月日
名前
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