広告頭 2(こうこくあたま2)
頭が受動型になっているというのが前回の話ですが、僕には他にも広告思考に毒されているなと思うことがあります。
難しい本が読めなくなってきた。難しいというのも語弊がありますが、論文とか、古典とか、専門書とか、数時間もしくは何日かかけて読むようなものが面倒なんです。学生の頃は(心理学を専攻していた)かなり勉強して、議論して、がんばってたんだけどな…。
広告って、「ひとことで言うと何」を突き詰めている。15秒で思考して、ワンビジュアル、ワンメッセージで考える。シンプル、それが広告頭(こうこくあたま)。
いろんなジャンルの雑誌を読み飛ばすことは多いし、企画打ち合わせで海外のビデオクリップを湯水のように見るなんてことは多いけど、今度は、ドストエフスキーの「罪と罰」のように人間をとらえてみようなんてならない。直感!ぱっと伝わる。それが大事。
それはそれで重要で難しいんだけど、何だか頭が悪くなってきてる気がするんだけど…。年取ってきただけかな。
実は最近、芥川賞とった「月蝕」を読んでみたんだけど、苦痛で最後まで読めない。わからない。ちょっとショック。広告やってるせいじゃなくて、本人の能力と感性のせいかもな。
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