本棚より (2)
ジュンク堂で、いつものように
書架の迷路をさまよっていると、
懐かしい本と再会した。
和田誠『ことばの波止場』
結婚前、20代後半の1冊。
映画監督もこなす奇才イラストレーターの本人と、
彼の豪華な友人たちが、
愉快なことばあそびを教えてくれた。
魔の写真機(マノシャシンキ)
これは和田さん作、篠山紀信(シノヤマキシン)のアナグラム。
数の子や 水気を問わむ いと古び (土屋耕一さん作)
わずか見む ふやけ男の ビイトルズ (岩永嘉弘さん作)
なんと二句とも、「古池や 蛙とびこむ 水の音」のアナグラム!
コピーライターのセンパイが繰り出す、ことばの超絶技巧。
でも、心がいちばん動いたのは、これ。
あくびがでるわ
いやけがさすわ
しにたいくらい
てんでたいくつ
まぬけなあなた
すべってころべ
頭の一文字をつなげて読むと、
「あいしてます」になってるぞ!
完璧なハコ組み、痛快なウラ切り。
この折句の作者は…またもや谷川俊太郎!!
戦略も、コミュニケーション・デザインも、大事。
でも、ことばとあそぶ無邪気さを忘れてないか。
大切なものを思い出させてくれるこの本は、
家と会社の本棚に1冊ずつある。
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