リレーコラムについて

広告代理店VSコンサルVS投資銀行

竹島典明

「この先15年後の広告業界はやばいよ。
 ちゃんとビジネスモデルを描けているの?」

先日飲み会で、先輩にこんなことを言われました。

金融関係やコンサルの方と仲がいいので、よく
飲み会でくだらない話ばかりしているのですが、
「マネーゲームにおぼれる会社ばかりでつまらないですよね」
と言ったところ、話がどんどん変わってそんな話でつっこまれて
しまいました。

彼らの感覚はとてもお金に対してシビアです。
それは、無駄を省くという整理整頓の精神が
大きく現れていると思います。

これは、僕の勝手な読みなのですが、特に2000年以降、
コンサル会社の企業への関与度が大きくなってきて、
広告がいつのまにか回収すべき投資として厳しくみられていると
思います。

でも、そもそもモノを売るということ自体が、そんなに
簡単なことではなく、いろいろな要因が絡んでいる賭け
なのだから絶対的な成功を最初から約束することは
できないとは思うのですが。

コンサルや投資銀行に整理整頓のアイデアはあっても、
突発的なアイデアはあまりない。コンサルと広告会社が組むと
わりとバランスがいいのにと思うこともあります。

ただ、クライアントと話していると、アイデアはすごく必要と
されていることが分かる。ポスターは必要とされていなくても
これをどう売ればいいかとどう広めればいいかというアイデア
ものすごく必要とされている。

コピーもアイデアだと思うのです。その商品の新しい捉え方
を提案できるからだと思うからです。コピーは、その商品の
戦略コンセプトになると思います。

広告会社がそんなことをしているとは、なんとなく皆さん
思っていても、表明していないので、認識されていない。
コピーライターも一番最後に呼ばれるケースが多い。
ものを売る知恵やアイデアを出せる会社だ、業界だという
価値づけをおこなう必要があると思います。

コンサルは、名前とその立ち居地が、とりあえず全部まかせられ
そうな気がするというイメージがあると思います。
広告業界もそのように新しいブランディングをしていくべき
段階にあると思っています。

僕は建築学科だったので、有名建築家の設計事務所でバイトをしていた
ことがあるのです、クライアントのさまざまな注文をうけるために
時に、設計料からお金を引いていました。それは建築家自身が施主の
夢にこたえたいということだったと思うのですが、海外から帰ってきた
先輩に聞くと欧米ではそんなことは全くない、全体の予算の数十%は、
設計料として絶対もらうことになっている。と言っていました。

こうしたデザインやアイデアに対して価値が払われないと
どんどん広告もものづくりも衰退していくような気がして
しまいます。

そのコンサルの先輩は、最後に
「でも、金だけ金だけっていうのも寂しいよなあ
 いい商品とかCMでひっくりかえることもあるしね」と。

あれだけお金に厳しい先輩もしかけや表現は好きなんだと。
まだまだ可能性はあると思いました。
今日は、いや今日も真面目な話ですいません。

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